テレビ朝日ホールディングス(東京)は25日、東京国税局の税務調査を受け、テレビ朝日元社員の男性(懲戒解雇)による番組制作費の私的流用などで2013年3月期までの7年間に約1億1200万円の所得隠しを指摘されたと発表した。

 重加算税を含めた追徴税額は約4500万円。広報部は「今後も適正な経理・税務処理に努める」とコメントした。

 広報部によると、元社員は編成制作局のプロデューサー。「銭形金太郎」などのバラエティー番組で、制作会社3社に架空業務代金を請求させて番組制作費を支出、私的な旅行費用や服飾品の購入に充てていた。架空の番組制作費が仮装隠蔽(いんぺい)に当たると認定された。

 流用は税務調査で発覚。その後の社内調査で03年11月~13年3月に約1億4000万円の着服が判明したが、一部は課税時効が成立していた。

 また、ほかの社員数人が、同様の手口で支出して他の番組の制作費に流用した数百万円も所得隠しとされた。