福島第一原発事故にまつわる被ばく描写が問題となっている人気漫画「美味しんぼ」の作者である雁屋哲氏が9日、同漫画を掲載する週刊誌「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)編集部への苦情や抗議を自粛するよう、自身のブログを通じて呼びかけた。

 同誌4月28日号に掲載された内容をめぐり、雁屋氏のもとには現在、取材の申し込みが殺到しているという。

 また、スピリッツ編集部にも問い合わせの電話や抗議文などが送られてきているとして、雁屋氏は「スピリッツ編集部に電話をかけたり、スピリッツ編集部のホームページなどに、抗議文を送ったりするのはお門違いです」と、自粛を求めるとともに、「書いた内容についての責任は全て私にあります」とコメントした。

 同誌4月28日号に掲載された「美味しんぼ

 福島の真実篇」では、主人公・山岡士郎たちが福島第一原発を見学した後、疲労感や鼻血が出る症状を訴えるシーンが描かれ、これに対し福島県双葉町が小学館に対し「風評被害を生じさせている」として厳重抗議を行うなど問題となっている。

 なお、雁屋氏は問題の描写をめぐる批判に対し、「私は自分が福島を2年かけて取材をして、しっかりとすくい取った真実をありのままに書くことがどうして批判されなければならないのか分からない」と、反論している。