全国で大ヒットを記録中の宮崎駿監督のアニメ映画「風立ちぬ」に喫煙シーンが多いことを、医師らでつくるNPO法人「日本禁煙学会」(東京)が問題視、スタジオジブリに対し、たばこの描き方に配慮を求める文書を14日までに送った。

 学会側は「未成年の観客も多く影響も大きい」と指摘し、文書はホームページでも公開。インターネット上では賛否両論の書き込みが広がっており、学会には「表現の自由」「作品に文句をつけるな」といった苦情が数件寄せられているという。

 学会は文書で、作品の中で主人公の教室や職場、ホテルのレストランなど喫煙シーンが「数え上げれば枚挙にいとまがない」と批判。肺結核で寝込む妻の手を握りながらたばこを吸う場面については「夫婦の心理を描写する目的があるとはいえ、他の方法でも十分表現できたはず」とした。

 未成年の学生がたばこを友人にせがむ場面もあり、同会の作田学理事長は取材に「未成年者の喫煙を助長する。過去の出来事とはいえ、子どもたちへの影響は無視できない」と非難した。