昨年1月、トンネル内での撮影中にオートバイにはねられて亡くなったギリシャの世界的な名監督テオ・アンゲロプロスさん(享年76)の遺作「エレニの帰郷」(来年1月25日公開)が21日、東京国際映画祭で特別上映された。

 会場の東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズには、プロデューサーも務めたフィービー・エコモノプロス夫人(66)と娘アンナさん(32)や同監督の映画全13作の日本語字幕を担当した作家池沢夏樹氏(68)が参加した。

 池沢氏は「私は字幕制作者であり、監督でも俳優でもなく(舞台あいさつに登壇するのは)せんえつです。テオの作品は(75年の)『旅芸人の記録』から13本、全て字幕をやってきた。テオ以外の人のは、やったことがない。個人的にも行き来していた。『エレニ-』でテオの新作はなくなる。これでおしまい。心に留めてほしい」とあいさつした。