韓流スター、イ・ドンゴン(27)の弟(21)が20日にオーストラリア・シドニーの路上で刺殺された事件で22日、シドニーの警察当局が殺人容疑で逮捕した中国系の容疑者2人はアジア系ギャング団と関係しているとみて調べていることが分かった。オーストラリア、韓国両国メディアが報じた。刺された直後に助けを求めている弟とみられる男性の姿をとらえた防犯カメラ映像も一部メディアで公開され、韓国のファンにショックが広がっており、ネット上では中国批判も始まっている。

 オーストラリア、韓国の両国メディアによると、事件があったのはシドニーのリバプール通りのワールド・スクエア・ショッピング・センター近くの路地。イの弟とその友人(24)が若い中国系の男2人と「なんでにらむんだ」などの口論となり、男2人が弟と友人をナイフで刺し、タクシーで逃走した。弟と友人は直後に近くのコンビニエンスストア店内に入って助けを求め、病院に運ばれたが、弟は死亡。友人も重体とされている。

 シドニーを管轄するニュー・サウス・ウエールズ州警察当局とオーストラリア連邦警察は、両容疑者が逃走時に乗ったタクシー運転手の情報提供をもとに、中国系でオーストラリア在住のマイケル・リー、イバン・ウォンの両容疑者(ともに18)を殺人と暴行容疑で逮捕。シドニーなどで犯罪を繰り返しているアジア系ギャング団と関連があるとみて、アジア特捜隊を設置し、詳しい背後関係を捜査している。

 悲報を受けたイは20日に両親とともにシドニーに到着し、弟を確認した。一部メディアでは、コンビニの床にあおむけになり助けを求めている弟の姿とみられる現場近くの防犯カメラ映像も公開された。韓国のネット上ではホームページなどに「元気を出して」などイを励ますメッセージも殺到。容疑者が中国系との報道を受け「北京で五輪を開催しても大丈夫なのか」「中国が嫌いになる」など、中国本国を批判する声もあがり始めた。一方で「中国系容疑者と中国本国をまとめて批判すべきでない」との冷静な意見もあった。

 容疑者には保釈は認められず、現地の地方裁判所で25日に予備審理が行われる見通し。