2年前に患った喉頭(こうとう)がんから復活したロック歌手の忌野清志郎(57)の左腸骨に、新たにがんが転移していたことが14日、分かった。所属事務所を通じて文書で発表した。今夏に予定していたライブ出演は、すべてキャンセル。今後は、再び治療に専念する。

 06年7月に喉頭がんが発覚した清志郎は、治療のために1年7カ月の間、活動を休止して、2月10日の日本武道館で復活ライブを行った。今夏も新潟・苗場などでのロックイベントと、9月6日の日比谷野外音楽堂での単独ライブの準備をしていた。しかし5月末、足に痛みを感じ始め、マッサージでは改善しなかったため今月8日に検査。転移が確認された。9日から放射線による通院治療を始めている。関係者は「すでに2回の治療で、痛みが消えてきました。食欲もあって、体重も増えているほど元気です。今後は医師と相談しながら治療方法を選びます」と明かした。今夏の仕事はすべてキャンセルした。

 清志郎は自分の公式ホームページに「妙に前向きになるのはなぜだろう。腰にガンが見つかった。心配はしないでくれ。このくらいの事は覚悟してたんで、ぜんぜんヘコんでないから。ブルースはまだまだ続いているというわけだ。残念ながら夏のイベントはキャンセル、治療に専念します。楽しみにしててくれたみんなにはゴメン。でも、すぐに帰ってくるから応援してくれ!

 もう一度言おう、夢を忘れずに」。心配するファンを逆に励ますように記した。

 夏に共演予定だった元所属バンドRCサクセションのギタリスト仲井戸麗市(57)も「ちゃんと回復して元気に再度ステージに立つべくための日々を、がんばって送ってくれる約束をしてくれました…。大丈夫!

 あのキヨシローだぜ!

 みんな、キヨシローを信じて待っていようぜ!」とエールを送った。