覚せい剤取締法違反などの罪で服役し、先月26日に刑期満了を迎えた元タレント田代まさし氏(51)が16日、東京・阿佐ケ谷ロフトAで出所報告会見を行った。04年9月に逮捕されて以来、約3年10カ月ぶりの公の場。「シャバの生活に慣れず、体調もすぐれません。戸惑ってます」と頭を下げた。

 この日のために購入したというハンチング帽にアロハシャツ姿で登場。一部では激太りも伝えられたが、以前と変わらぬ体形で「拘置所にいた時は体重が80キロを超えていたけど」。獄中生活については「睡眠剤をもらわないと眠れない、つらい毎日。生きがいの家族と離れ、自殺も考えました」。薬物の禁断症状はないと断言したが、会見では、ろれつが回らず、指先を震わせていた。

 収監されていた栃木・黒羽刑務所を出て真っ先にしたことは「甘ぐりをむいたやつとか、甘いモノをコンビニで大人買いして、むさぼり食いました。映画『幸せの黄色いハンカチ』で高倉健さんが、出所後にラーメンとビールを頼むシーンをまねしたかったけど、写真を撮られたら嫌なので断念しました」。現在は妹夫婦の家に身を寄せているといい「住所もない状態」。貯金を切り崩して生活している状態で「収入はラッツ&スターの歌唱印税、年間3000円だけ」。

 服役中に最も落ち込んだ瞬間を聞かれると「ラッツ&スターとゴスペラーズが特別ユニット『ゴスペラッツ』を組んで歌っているのを刑務所内のテレビで見た時。『何でオレはこんな所にいるんだろう』とへこみました」と振り返った。

 獄中で離婚した。関係者によると、今年1月に離婚が成立。代理人を通して手続きし、田代氏は妻と会わずに別れたという。公判中に、芸能界へのカムバックはあきらめた。この日も「全く考えてない。白紙です」と強調したが、一方で「ずっと芸能界で活動してきたので自分なりに自信はある。ただ周囲の人が決めること」と話し、条件付き復帰の可能性も示唆した。今後は矯正施設に入所せず、独力で薬物依存症と向き合っていくという。