<赤塚不二夫さん死去>
なぎら健壱(56=歌手)が語る赤塚さん
初めて会ったのは35年前、歌手デビューした直後ぐらいだね。居酒屋でお酒を一緒に飲んだのよ。オレからしてみりゃ雲上人さ。それでも「おう、なぎら、オマエも飲め」って昔から酌み交わしている仲間みたいに楽しく話してくれてたな。
まだ、一般人だったタモリさんと引き合わせてくれたのも赤塚さんだった。「なぎら、面白いのがいるんだよ」って、赤塚さんの自宅でタモさんと初対面ですよ。でも、結局、3人で酒を飲んで大騒ぎしましたね。
赤塚さんは、気持ちが子供なんですよ。理屈っぽい笑いじゃないから面白い。だって「シェーッ」なんてギャグを当時はいい大人がみんなやっていた。ジャズマン、落語家、作家、歌手、俳優、もう人種関係なく誰でも受け入れちゃう懐の深さがあったね。
赤塚さんのネコ「菊千代」が他界したときに、ウチのネコ「ふう」名義で弔電を打ったのさ。そうしたら「オマエのとこのネコから電報きたよ」とギャグを分かってくれたんだよ。
今、オレは酒場なんだけどさ……今、赤塚さん来たね。注文は瓶ビールだってよ。ねじりハチマキ巻いちゃって、バカボンのパパそのものだね。さて、飲むか!