リア・ディゾン(22)の妊娠と結婚に最も驚いたのは、目の前のステージから告白されたファンだったろう。それでも、ライブ会場になった東京・渋谷O-EASTはすぐに祝福ムードに包まれた。最近のイベントの様子から、恋人の存在に気付いていたファンもいた。

 人生の転機を迎えたリアの告白を受け、笑顔のファンが多かった。東京都世田谷区に住む38歳の会社員は「22歳での結婚は早すぎると思うが、日本で苦しい思いをしたから支えになってくれる人が見つかってよかったのではないか」と話した。

 その仲間で活動や近況情報をファン同士で交換している埼玉県川口市に住む36歳の男性は「紅白や今年2月の都内でのイベントではやせて表情も暗かった。それが2カ月前の渋谷のイベントでテンションが普段以上に高かった。右手薬指に指輪をしており、彼氏がいるのかと思った。今日ずいぶんムチッとした姿をしていたので、事情を知って納得した」とうれしそう。

 都内に住む女子高生2人組は「最初はえっと思ったけど、うれしかった。結婚したいと思った時が潮時。復帰を待っています。ママドルとして活躍してほしい」と声をそろえていた。

 一方、千葉県松戸市の30代の男性会社員は少数派。「残念。僕は未婚なのに。今夜はやけ酒です」と泣きだしそうな表情で足早に立ち去った。告白直後の会場では放心状態で手拍子ができないまま最後の曲を聞いた人もいた。22歳の会社員は「どん底です。発表の瞬間、いつもと雰囲気が違った」と、終演後にようやく口を開いた。

 祝福した人も悲しんだ人も、女性アイドルがステージ上で、誰より先に結婚を発表する例は少ない。歴史に残る出来事は、黒船ならではだった。