今月7日に亡くなったニュースキャスターの筑紫哲也さん(享年73)がレギュラー出演していたTBS系「ニュース23」(月~木曜曜午後11時、金曜午後11時30分)が、来年3月いっぱいで終了することが13日、分かった。午後11時台は30分のストレートニュースに縮小するが、代わりに午後6時から2時間の報道情報番組を編成する予定。ニュース番組をゴールデン帯に再編成することで、「報道のTBS」の看板を復活させるつもりだ。

 TBSが、約20年続けた筑紫さんの遺産「ニュース23」の看板を下ろすことになった。今年4月、「筑紫哲也

 ニュース23」から「ニュース23」にリニューアル。その1年後の来年3月で同番組が打ち切られることになった。筑紫さんが引退する前から番組終了は社内で検討されていた。全盛期は2ケタ台も記録していた平均視聴率も、先月は平均6・9%(関東地区)だった。

 「ニュース23」は終了するが、筑紫さんが同局に植え付けたテレビジャーナリズムはしっかりと受け継がれる。平日の午後6時から午後8時までの2時間を、報道情報番組に編成する準備を進めており、「ニュース23」のキャスターの後藤謙次氏(59)が“異動”する予定だ。バラエティー番組が主流の午後7時台もニュース枠に変えて「報道のTBS」をアピールしたい意向のようだ。膳場貴子キャスター(33)は、そのまま午後11時に30分枠で新設されるニュース番組を任されることになるという。

 本年度上半期(3月31日~9月28日)のTBS(関東地区)の視聴率は、全日帯が7・3%で4位、プライム帯が10・9%で5位と低迷した。その一方で、ニュースや報道番組が中心のNHKは、ゴールデン帯が13・6%を記録し、民放を抑えて初めて1位になった。TBS井上弘社長(68)は最近の定例会見で「わが社は大変厳しい状況」と語り、NHKの番組制作を見習いたい旨を明かした。

 また、来年4月以降の午後11時30分からは、バラエティー番組を編成する予定。テレビ朝日では、バラエティー新番組を午後11時台に編成し、人気が出た番組をゴールデン帯に昇格させる手法で、視聴率を伸ばしてきた。TBSも、ライバル局の手法を参考にした番組編成をするようだ。

 現在、民放各局は午後7時の番組の視聴率が取れず、番組編成に頭を悩ませている。今回のTBSの英断は各局の編成にも刺激を与えそうだ。