エイベックスとNTTドコモの合弁会社「エイベックス通信放送会社」が1日、都内で世界初の携帯電話ワンセグ放送専用テレビ局「BeeTV」の発表会を行った。ドコモの携帯電話上で、情報料月額315円で視聴することができる。和田アキ子(58)や市原隼人(22)小西真奈美(30)さまぁ~ずらの新番組を用意して、5月1日から開局する。

 音楽や映画事業が主体のエイベックスが、ドコモと組んで新時代のマスメディアを立ち上げた。エイベックス社長で、新会社の松浦勝人会長は2年半前に映画「蒼き狼」が興行的に失敗したことが起業のきっかけだったと説明。「『次はどうしよう』と話し合い、最も身近な携帯電話だと思い立った」と、話した。

 顧客の商品選択のパーソナル化にも着目した。ワンセグ専用チャンネルに、トーク番組「和田アキ子の芸能界最強バトル!」をスタートさせるアッコも「見たい人が、見たい時に、どこででも携帯で見られる。いいところに目を付けたビジネス」と感心した。ドラマ「40女と90日間で結婚する方法」で主演する市原も「ワンセグは現場や車での移動中に見ている。時間の有効利用ができる」と、利点を挙げる。アッコは「地上波放送では規制があって言えないことも話せるでしょ。初回のトークゲストは、みの(もんた)ちゃん。豪華でしょ」と胸を張った。

 人気番組のDVDや書籍化のシステムや、出演者と制作会社への番組アクセス数に応じた印税分配など、周辺整備も整えてスタートする。会見には、約400社500人の報道陣が集まり、19人の番組出演タレントが登壇した。開局には70億円を費やす。関係者は「番組制作費も地上波のテレビ番組と同等額。最初は赤字覚悟だが、携帯iモードも10年前のサービス開始時は同じ状況だった。将来大きく飛躍する新メディア」と話した。70万人加入が採算のラインとみており、3年後の黒字経営を目指している。

 [2009年4月2日8時9分

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