経済小説家城山三郎さんの名作「官僚たちの夏」がTBSで連続ドラマ化されることが18日、分かった。佐藤浩市(48)主演で、7月から日曜午後9時枠で放送される。

 同書は「週刊朝日」に「通産官僚たちの夏」のタイトルで連載され、75年に新潮社から刊行された。佐藤は戦後日本を立ち直らせようと使命感に燃えた通産事務次官・風越信吾を演じる。佐藤は「今のテレビ界に骨のあるドラマを作りたいという強い信念で突進していく、ここ10年20年の中ではとてもまれな企画。大変やりがいを感じている」と話している。

 霞が関の省庁改革が叫ばれるなど、高級官僚に悪いイメージが定着した今だからこそ、伊佐野英樹プロデューサーは同ドラマに取り組むという。「国際競争力のなかった車や電気製品の国内産業を、高度成長へと導いた男たちから、仕事への誇りや、今の不景気打開のヒントを見つけてほしい」と理想像を描く。佐藤も「ここまで男くさくていいのかというくらい前のめりな男たちは、今の草食男子にはない部分」と語る言葉は熱い。

 共演陣は北大路欣也(66)堺雅人(35)高橋克実(48)高橋克典(44)ら平均年齢40歳以上の演技派がそろった。TBS幹部も「見る方は日曜夜に刺激を受け、月曜からの仕事の活力にしていただきたい。景気回復に貢献するドラマになってほしい」と、いつも以上に力が入っている。

 ほかに佐野史郎(54)西村雅彦(48)杉本哲太(43)吹石一恵(26)床嶋佳子(44)国広富之(56)が出演。

 [2009年5月19日8時26分

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