4月23日に公然わいせつの疑いで逮捕され、芸能活動を自粛中だったSMAP草なぎ(なぎは弓ヘンに前の旧字体その下に刀)剛(34)が28日、約1カ月ぶりに仕事復帰した。この日、東京・台場のフジテレビで行われた、6月1日放送分の「SMAP×SMAP」(月曜午後10時)の収録に参加。先だって行われた会見では、ファンへの感謝はもちろん「ボクのために頭を下げてくれているメンバーが、自分の弱さを乗り越える原動力になった」などと、メンバーへの感謝を何度も口にした。

 草なぎは「スマスマ」収録直前の午後3時45分、フジテレビのロビーで約9分間、取材に応じた。取材陣約80人を前に「今日から芸能生活に復帰します。また一から頑張りますので、よろしくお願いします」と深々と頭を下げた。

 黒いスーツは警察から釈放された直後に行った会見と同じスタイル。だが、憔悴(しょうすい)しきっていた前回会見とは表情が全く違う。謹慎期間の約1カ月間、1歩も外に出なかったといい、そのためか顔色は多少白かったが、再び仕事に戻れる喜びからか、表情は明るかった。

 自宅にこもりきりの謹慎生活だった。「心身共に健康を保とうと努力しました」と自宅でスクワットなどを行っていたことを明かした。所属事務所によると、謹慎中はファンから寄せられた膨大な手紙に目を通したほか、ノンフィクションの本を読んだり、韓国語の勉強をするなど静かに過ごしていたという。食事はスタッフから弁当を差し入れてもらったり、時には食材の差し入れをもらい、カレーなどを作ることもあったという。

 「つらい時もあった」とこぼしたが、支えはファンの声援はもちろん、メンバーの姿だった。メンバーとは電話でやりとりしていたという。また「スマスマ」をはじめ、メンバーの出演番組を必ずチェック。親友でもある香取慎吾(32)が単独レギュラー番組で草なぎの事件をわびた姿も「オンタイムで見ていました」と明かした。「2度と同じことをさせてはいけないという気持ちを持ちました。つらい時はボクのために頭を下げてくれているメンバーを見ることで強い気持ちを持って、自分の弱い部分を乗り越えようとする原動力になりました」。この時ばかりはうっすらと涙をにじませた。

 この日は事件以来初めてメンバー5人が顔をそろえた。「感じたことのない新鮮な気持ちがわきあがってくる。とにかくすごくうれしい気持ち」「一緒に仕事ができることが幸せ」などと、何度もメンバーに戻った喜びを強調した。「自分と向き合う時間がたくさんできました。今は感謝の気持ちしかない」。生まれ変わったかと聞かれると「はい」と力強く即答した。

 この日は「スマスマ」のほか、フジテレビ系「僕らの音楽」のナレーションの収録を行った。29日は、フジ系「笑っていいとも!」に生出演後、関係各所へのあいさつ回りを行う。

 [2009年5月29日8時17分

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