元パリコレモデル秀香(ひでか=59)が、CDデビューすることが1日、分かった。「愛のままで…」がロングヒット中の秋元順子(61)に続く、アラ還の星として話題を呼びそうだ。

 8年前の「9・11テロ」の後、一遍の詩が世界中を駆け回った。「今日という日が

 最後だとわかっていたら

 一言でいい

 『あなたを愛してる』と

 私は伝えただろう」。最愛の人を失った喪失感と死者への惜しみない愛を記した文章だった。当初は救出作業で亡くなった消防士が書き残したと伝えられたが、後に子どもを失った女性がわが子をしのんだ詩と分かった。秀香は、この日本語訳にメロディーを付けた「最後だとわかっていたなら」で6月24日にデビューする。

 7月に還暦を迎える秀香は19歳でモデルデビューした。23歳で結婚し、引退して家庭に入ったが30歳でカムバック。その年のパリコレで注目を集めると、10年間で20回も出演する常連として世界のトップモデル9人にも選ばれた。だが、母親が病に倒れたこともあって41歳で引退。出口の見えない介護の日々に「今日が最後になれば」と願う絶望の中で出会った光が歌だった。「当時の自分は歌うことが救いでした」。

 10年ほど前から人前でも歌うようになり、やがて評判が口コミで広がり、今回の遅咲きデビューにこぎ着けた。「この歳で、こんな素晴らしい曲と出会えて歌手デビューできるなんて幸せ以外の何物でもない。優しさや思いやりの連鎖みたいなものが伝わればいいなと思いながら歌っています」。

 「9・11」をきっかけに生まれた曲としては、ミリオンヒットになった「千の風になって」がある。命の大切さを伝えるアラ還新人のバラード曲が「千の-」に続く。

 [2009年6月2日7時18分

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