歌手吉田拓郎(63)が8日、大阪・グランキューブ大阪で予定していたコンサートを開場直前に中止にした。

 関係者によると、拓郎は7日午後11時ごろ大阪入りした。東京から新幹線で向かったが、気分が悪くなり名古屋で途中下車、車で大阪に向かったという。この日は午後2時30分に開場入りし午後3時45分から45分間、リハーサルを行った。だが、リハの段階から体調が思わしくなかったようで、気力やテンションが上がらず、自ら病院に向かったという。この日夜、都内に戻り入院する予定だ。

 会場のグランキューブ大阪周辺は、公演中止を知らずにやってきたファンでごった返した。「本日の公演は、体調不良のため中止です」と呼びかける係員の声に、ファンは信じられないような顔で「エエーッ?」「なんでやねん?」と残念がった。せっかく手に入れたチケットは、払い戻し。あきらめきれないファンは、ツアーグッズが販売中と聞き、売り場へと急いだ。

 拓郎は6月21日に「人生最後のツアーになる」と明言し、名古屋から全国ツアーをスタートさせた。8月3日の追加公演となるNHKホールまで10公演を予定していたが、5公演目の大阪で無念のリタイアとなった。4日の東京公演は、普段と変わりない歌声だったという。今後のツアー日程について、公式HPは「医師の診断結果を待って決定する予定です」としており、白紙になる可能性もある。

 03年4月に肺がん手術を行って以降、拓郎はずっと体調不良と闘ってきた。翌年には全国ツアー中に貧血で倒れ、その後の公演を延期。07年8月にも急性気管支炎でツアーを延期。翌月に復活ライブを行ったが、すぐに慢性気管支炎と胸膜炎を理由にツアーを中止した。そのため、今回は全国のファンへのお別れの意味を込めた全国ツアーだけに、拓郎の病状が心配される。

 [2009年7月9日9時20分

 紙面から]ソーシャルブックマーク