個性派俳優の山田辰夫(やまだ・たつお)さんが26日午前10時15分、胃がんのため東京都日の出町の病院で死去した。53歳だった。葬儀は27日に近親者のみで行われた。

 山田さんは05年6月に胃がんが見つかり、胃の全摘出手術を受けた。その後、入退院を繰り返したが、昨年暮れに別の部位に転移が見つかり入院。6月26日、自らの希望でホスピスに転院していた。

 最後の仕事は映画「沈まぬ太陽」(10月24日公開)。転移が分かった後での仕事だったが「依頼された仕事はやり通したい」と撮影に臨んだという。

 山田さんは80年「狂い咲きサンダーロード」(石井聡互監督)に主演し映画デビュー。個性派の役者として多くの作品に出演した。映画「おくりびと」では妻を亡くした農民役で出演。ぶっきらぼうながらも、妻を納棺した本木雅弘、山崎努に感謝の気持ちで干し柿を手渡した場面が涙を誘った。

 後日お別れの会が開かれる予定。喪主は妻典子(のりこ)さん。

 [2009年7月28日7時26分

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