生後すぐに聴力を失いながら東京・銀座のクラブでNO・1ホステスに成長するまでをつづった自叙伝「筆談ホステス」が10万部のベストセラーとなっている斉藤里恵さん(25)が、「筆談ホステス

 67の愛言葉」(光文社)を17日に発売する。銀座で働いて2年になる斉籐さんは筆談を駆使した接客で人気を集めてきた。会話だけでは感じられない言葉の重みが来店者に活力や癒やしを与えている。新著書では「隣に誰かがいるだけで、“憂い”は“優しさ”に変わります」「難題の無い人生は“無難”な人生。難題の有る人生は“有り難い”人生」など、斉籐さんがこれまで出会った言葉の中から、特に心に残ったものをまとめた。

 読者との“筆談”も用意された。同書にとじ込まれた往復はがきで申し込んだ人全員に、斉藤さんが直筆メッセージを返信する。周囲は「1人1人に書くのは大変」と負担を心配したが「時間がかかっても短い言葉でも、必ず1人1人に届けたい」と訴える斉藤さんの熱意で企画された。

 斉籐さんに最新のメッセージを求めると「“涙”を止めればまた笑顔に“戻”れますよ。“泣”くのを止めればまた“立”ち上がれますよ」と丁寧に書いた。言葉だけでなく文字の成り立ちや秘められた意味にまで踏み込んだ、細やかな心遣いが人気の秘密のようだ。

 [2009年9月11日7時43分

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