女性に合成麻薬MDMAを渡したなどとして、麻薬取締法違反の疑いで逮捕された俳優押尾学容疑者(31)を追及するために、警視庁捜査1課が、同容疑者の携帯電話上の消去データをすべて復元し、捜査していたことが11日、分かった。復元したデータの中から割り出した交際女性は10人近くに上り、4日の逮捕状請求前までに、入念な事情聴取を行っていた。

 捜査関係者によると、押尾容疑者を8月にMDMA使用容疑で逮捕した際、押収した携帯電話からは、同容疑で逮捕された知人泉田勇介容疑者(31)らとの、事件に直接かかわる内容のメールを消去されていたという。しかし、同課は、特別なコンピューターソフトで消去されたすべてのデータを復元。MDMAは、事件当日の8月2日に東京・港区マンションで一緒に使用して亡くなった田中香織さん(30)に「もらった」と主張する押尾容疑者に対し、現在はこれらの復元データを突きつけて追及しているという。

 また、押尾容疑者の携帯メール復元は、田中さんを含めた多数の女性との送受信データにも及んでいた。押尾容疑者と交際があり、11月に事情聴取を受けたある女性モデルは、捜査員から「上書きの形で消去されていた昔のメールなども復元できるもの。あなたとのやり取りもそれで分かった。そうやって関係をつかんで、事情を聴いている人(女性)は、あなたのほかにもたくさんいる」と言われたという。その女性モデルは「警察は正確な人数は教えてくれなかったけど、感覚的には10人近くもいるような口調だった」と話している。同課の真相解明への執念と、入念な捜査の様子がうかがえるが、女優矢田亜希子と結婚生活を続けながらも、押尾容疑者の浮気相手が、タイガー・ウッズにも引けを取らず多数だったことも明白になった。

 [2009年12月12日9時20分

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