<第60回NHK紅白歌合戦>◇12月31日◇NHKホール

 紅組から特別出場歌手として初来日した英歌手スーザン・ボイル(48)が美声を披露した。

 ボイルはSMAP木村拓哉のエスコートで登場した。木村が英語で「来てくださってありがとう。みんなが待ち望んでいました」と話したが、ボイルには伝わらず通訳が訳することに。木村がずっこけるしぐさを見せると、ボイルもこけるマネをしてみせた。

 ボイルは「招いていただいてありがとうございます。とてもうれしいです」。日本の印象には「ワオ!(素晴らしい)」と表現。リラックスした表情だったが、歌唱曲「夢やぶれて」の前奏が始まると、集中した表情に。寸分の狂いもない安定した音程と透き通った響きの声で会場を魅了した。

 司会の中居もうっとりし「今日、一番の拍手ではなかったでしょうか」。ステージ後、待ち受けた報道陣に感想を問われると、無言でほほえみ「スーザン!」の呼びかけに「ハロー」と答えた。

 ボイルは今年4月の英オーディション番組で「プロの歌手になりたい」と発言し審査員から失笑された。だが、歌い始めるとルックスと美声のギャップに審査員は驚き、その衝撃は動画共有サイトを通じて世界中に広がった。

 11月発売のデビューアルバムは世界13カ国でチャート1位を獲得し800万枚を突破。国民的番組で生声を披露したことで、日本でもボイルのアルバムがさらにブレークしそうだ。

 [2010年1月1日9時21分

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