冬季五輪最多82の国と地域の選手団ファッションチェックは、米国が金メダル-。ドン小西ことファッションデザイナーの小西良幸氏(59)が開会式を見て各国のユニホームを批評した。金銀銅には米国、カナダ、イタリアを選んだ。一方ワーストには日本、中国、韓国の3カ国を選出。日本のユニホームは「スポーツ用品売り場にありそう。国体レベルだよ」と酷評した。

 辛口で知られるドン小西氏が「これなんか僕も欲しいもんね。さすがに垢(あか)抜けてる」と絶賛したのは米国だった。紺色の丈の短いダウンジャケットは、ラルフローレン社のデザインで「世界のトレンドのショート丈ダウンを取り入れ、ノルディックなニット帽を合わせる、おしゃれだよな」とうなった。

 「銀メダル」は、開催国のカナダ。赤いジャケットに赤と黒のマフラー、ニット帽のユニホームだ。小西氏によると、カナダ出身のデザイナー、ディーン・ケイティン、ダン・ケイティン兄弟によるカジュアル中心のブランド「ディースクエアード」の作品。「若い世代に世界的に人気のある最新ブランド。こういうものを取り入れる思い切りがいい」とした。

 「銅メダル」はイタリア。多くの国のモコモコしたスタイルと一線を画した黒のロングジャケットを「氷上とは思えないシルエット」とした。トップ3は「ファッション誌に出てくるようなデザインだ」とし、スポーツウエアの概念にとらわれないデザイン性を評価した。

 一方、ワーストは「日本、韓国、中国」。日本の白いダウンジャケットとパンツについて「スポーツ用品店にあったやつをチョチョッと直した程度で、デパートのヤッケレベル。インターハイや国体の県代表レベルだ」とこき下ろした。中国と韓国のスタイルも基本線では「ヤッケ」と酷評。「この3カ国は、自動車デザインもそうだけど、独自性がない。殻を破るようなスケールの大きさや、新しい提案がなにもない」とした。

 小西氏は「長野やシドニーで日本のユニホームの仕事に携わったから分かるが、いいデザインがあっても、選考で通らないのが問題だ」と指摘した。20代の選手のユニホームを選考しているのが「数十年前に五輪で活躍した人たち」だとし、「競技ではすごい人でもファッションセンスは平均以下。いいものは選べない」とバッサリ。

 提案として「デザインがだめなら、ハイテク素材で『あんなに薄くて寒くないのか』と心配されるほどフィットしたボディースーツにして技術力を示すとか、考えた方がいい」と話した。【清水優】

 [2010年2月14日9時36分

 紙面から]ソーシャルブックマーク