お笑いグループ、チャンバラトリオの南方英二(みなかた・えいじ)さん(本名・楠本喜八郎=くすもと・きはちろう)が26日午後8時33分、肝硬変のため大阪府内の病院で死去した。77歳。葬儀・告別式は親族のみで行う。喪主は、めい楠本勝子(くすもと・かつこ)さん。

 関係者によると、南方さんは26日午前、知人宅で「苦しい」と言いながら突然倒れ、そのまま病院に運ばれた。意識を失ったまま、危篤状態に陥り、同日夜に息を引き取った。1月11日の京橋花月(大阪)が最後の舞台となった。

 「かしら」の愛称で親しまれた南方さんはここ数年、年齢的なこともあり、足腰が弱っていたが、舞台に立つとしっかりと仕事をこなしていた。弟子にあたる宮川花子(54)は「昨年秋に私たちの舞台に出ていただいたときは、体調を崩した山根(伸介)さんを気遣うなど、まだまだお元気だったのに…」と絶句した。昨年暮れから「年齢を感じる」と言い始め、体調不安を口にするようになったという。

 切られ役として東映時代劇を陰から支えた苦労人。1963年(昭38)結成のチャンバラトリオではさっそうと殺陣を演じた後に、ハリセンで「ガツン」と張り飛ばすギャグに客席は大爆笑…。お笑い界では、異彩を放つ存在だった。北野武監督の「ソナチネ」など映画にも出演、俳優としても活躍した。

 結成当時からの同志の山根は「あと2年で結成50周年。『きれいに幕を下ろしたい』と2人で誓った矢先でした。残った私が何とか50周年をやり遂げますので、どうか見守ってください。天国では中村錦之助さん、美空ひばりさん、勝新太郎さん、大友柳太朗さんも、かしらのことを待っていると思います。天国でもチャンバラを披露してやってください。本当に長い間、ありがとうございました」とコメントを寄せた。

 [2010年2月28日6時22分

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