【米シカゴ8日(日本時間9日)岩田千代巳】ロックバンドX

 JAPANが当地グラント・パークで行われた世界屈指のロックフェスティバル、ロラパルーザに出演しアメリカデビューを果たした。炎天下で、「紅」「X」とハード楽曲を連発し、最後はリーダーYOSHIKIがドラムセットを蹴り上げ、演奏と暴れん坊ぶりで約2万人の観客を楽しませた。9月25日からの全米ツアーも決定。YOSHIKIは「ロケットスタートが切れた」とアメリカでの飛躍を誓った。

 レディ・ガガ、グリーン・デイら人気アーティストが集ったロラパルーザで、X

 JAPANがベールを脱いだ。事前の天気予報では雨だったが、炎天下でのライブ。TOSHIの「ハロー、シカゴ!」の掛け声でスタートし「Rusty

 Nail」「Jade」「紅」「I.V.」「X」とハード楽曲のオンパレードとなった。

 事前に米メディアから「Xに注目」「レディ・ガガを超えるかもしれない」と報じられ、演奏が始まると同時に観客数も2万人に膨れあがった。YOSHIKIのピアノとSUGIZOのバイオリン演奏では「ヒュー!」と感嘆の歓声が起こり、最終曲の「X」では、初めてXを見た観客たちも見よう見まねで両手をクロスさせる「Xポーズ」を作った。

 手ごたえを間近で感じたYOSHIKIは、勢いが加速し最後はドラムセットを破壊した。指に切り傷を負ってしまったが「僕なりの喜びの表現です。マネジャーから『米国人はデカイ態度が好きだから』とアドバイスされて『このままでいいじゃん』と。緊張はしなかったし99点の演奏だった。Xはライブバンド。やっと本当のXを見てもらえた感じです」。演奏直後に十数社のメディアから取材を受け、さらに11年のツアーのオファーも来た。「ロケットスタートが切れました。(92年の)ロックフェラーセンター(での全米デビュー表明)から18年を考えるとジーンときますが夢がかなうんですね」としみじみ。

 9月25日のロサンゼルスを皮切りに、全米ツアーのスケジュールも発表された。会場が決定したのは7カ所9公演。2500人規模の会場で10月は中1、2日でバンクーバー、シカゴ、トロントなどを回る。「ロラパルーザの直後にツアーも決まったことが大きいと思う。アメリカでやっていくのは簡単ではない。新人の気持ちなので、守るものもないし、ただ攻撃あるのみ」。実際、今回のリハーサルも初心に戻り、YOSHIKIがメンバー1人1人に声を掛け、フレーズも細かくチェックした。「このフェスをきっかけに、Xが広がっていく気がするし、やれる気がする」。全米制覇の夢へ、大きな1歩を踏み出した。

 [2010年8月10日8時41分

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