嵐が4日、史上初となる国立競技場4日間公演の最終公演を行った。高さ15メートルから流れ落ちる滝の間から登場する派手な演出で幕を開けた。相葉雅紀(27)は「最初からマックスですね」。感無量の面持ちで7万人のファンを見回した。

 年間1組しか許可されない同所での公演は3年連続。大野智(29)は「鳥肌が立つけど、懐かしい感じがする」。松本潤(27)は「帰ってきた感じがしますね」。日本最大級の会場も、慣れ親しんだホームグラウンドになった。

 3年連続とはいえ、例年にない苦労も味わった。それぞれソロ活動が充実。櫻井翔(28)は「今年は5人そろってのリハーサルが極端に少なかった」と振り返った。5人全員でのリハーサルはわずか3、4日。仲の良さで知られる嵐だけに、集中力に加えてチームワークの良さで乗り切った。

 今回は2年ぶりのオリジナルアルバム「僕の見ている風景」を引っ提げてのツアー。「一昨年、去年の国立はシングル曲が中心。今年は原点回帰じゃないけど、今までやってきたコンサートという意味では初めての挑戦です」。櫻井の説明通り、ツアーの基本形でもあるアルバム収録曲を中心に構成する一方、ラストではヒット曲を次々に披露。新旧ファンを喜ばせた。

 国立で幕を開けた全国ツアーは、嵐として過去最大の86万人を動員する。演出の規模もデビュー10周年記念ツアーを行った昨年よりスケールアップ。だが、国民的グループに浮足だったところは見当たらない。

 松本

 国立の一体感は楽しいし、ダイナミックだけど、規模や大きさにはこだわっていません。アリーナや会館のサイズ、近い距離感が、自分たちには残っています。来年以降、どうなるか分からないけど、広げて広げて、にはしたくないなと思っています。

 デビュー11年。しっかりと、着実に。嵐はあらたな1歩を踏み出した。【近藤由美子】

 [2010年9月5日8時15分

 紙面から]ソーシャルブックマーク