女優石原さとみ(23)が、来年4月の劇団☆新感線プロデュース舞台「港町純情オセロ(仮題)」でヒロイン役を務めることが3日、分かった。新感線への参加を夢見ていた石原は「楽しんで楽しんで、悔いのない時間を過ごしたい」と語り、人気劇団への初参加を心待ちにしている。

 作品は、シェークスピアの「オセロ」をベースにした悲喜劇。終戦直後の日本を舞台に、領分を争う男たちの仁義なき戦いを描く。石原が演じるのは、夫に不貞を疑われ殺害される妻デスデモーナに相当する役どころ。東京から関西の港町に嫁いできた妻で、心の揺れが見どころになる。新感線の舞台には、天海祐希、稲森いずみ、高岡早紀、松雪泰子らがヒロイン役で客演しており、石原にとっても大きな挑戦となる。

 石原の出演は、劇団の主宰いのうえひでのり氏とのデビュー当時の縁で実現した。02年のホリプロタレントスカウトキャラバン最終審査で、グランプリを獲得した石原に演技指導をつけたのがいのうえ氏だった。石原は「お世話になったいのうえさんとの8年ぶりの再会に胸が高まりました。いつかは新感線の舞台に、と願ってきたのでうれしいです」。いのうえ氏も「今回ご一緒するにあたって、どんな女優さんになっているのか楽しみ」と話す。

 石原の舞台活動は、06年に「奇跡の人」のヘレン・ケラー役に挑戦して以来、故つかこうへいさん作・演出の「幕末純情伝」、故井上ひさしさん作の「組曲虐殺」があり、今回で4作目。「つかこうへいさん、井上ひさしさんへの恩返しは、舞台に立ち続けることだと決意していました。特別な思いを持って取り組みたい」とコメントしている。

 共演の大東俊介(24)も新感線初参加となる。主演で、石原の夫役演じる橋本じゅん(46)は「若くて活躍している石原さんと大東さんが参加してくれることは、僕にも劇団にも大きな刺激です」としている。

 [2010年10月4日8時14分

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