すべてのシーンが3分間という燐光群公演「3分間の女の一生」が、11月13日から東京・高円寺の座・高円寺1で上演される。世界演劇史上初めての試みで、竹下景子が主演し、坂手洋二氏が作・演出する。

 坂手氏は「3分間は日本の高度経済成長を象徴する単位で、生活からスポーツまで3分間のものが多い」と話す。公衆電話の10円の通話時間が3分なら、インスタントラーメンのゆで時間やレトルトカレーの加熱時間、ウルトラマンが地球上で活動できる時間、ボクシングの1ラウンド、3分間スピーチ、3分クッキングなど「3分間」がキーワードになっている。

 舞台は竹下ふんする女性を主人公に、戦後世代が歩んだ歴史をたどりながら、少子化や高齢化など現在の社会状況も反映させつつ、コント的シーンも織り込むという。

 坂手氏はかつて舞台「屋根裏」では押し入れという世界一小さな舞台空間でドラマを展開した。今回は「3分間という限定された時間でやってみたかった。限定された中でやるのが演劇の原点で、これまでに見たことのないものに挑戦したかった。3分間をテコにいろいろな試みをしてみたい」。

 けいこは始まったばかりだが、3分間のシーンは30ほど。脚本段階では1シーン3分20秒や4分近いものもあるが「本番までにはきちんと3分にまとめます。ばかばかしさもあるエンターテインメントにできれば」と話した。共演は円城寺あや、中山マリ、小山萌子ら。11月23日まで。

 [2010年10月18日8時49分

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