テレビ朝日の早河洋社長(67)は22日、東京・六本木の同局で行われた定例会見で、朝の情報番組「スーパーモーニング」(月~金曜午前8時)の後番組の新MCに、3月末で日本テレビを退社しフリーとなる羽鳥慎一アナウンサー(39)を起用すると発表した。羽鳥アナは3月31日まで日テレの朝の顔を務め、その4日後にはこれまでの“裏番組”のレギュラー司会者という、異例の登板となる。

 羽鳥アナは3月31日まで日本テレビ系「ズームイン!!

 SUPER」に出演し、同日付で同局を退社。「スーパーモーニング」でMCを務めている赤江珠緒キャスター(36)とともに、週明けの4月4日から始まるテレビ朝日の新しい情報番組のMCに就任する。

 羽鳥アナの起用について早河社長は「『ズームイン』を中心とした実績を高く評価した。司会進行や話術の巧みさ、スピード感など全体的な好感度で抜きんでた方」と期待を寄せた。新番組の詳細は調整中だが、「スタジオのライブ感を大事にしたい」とした。「スーパーモーニング」のコメンテーター鳥越俊太郎氏(70)らは卒業し、新たな陣容をそろえるという。

 一般的に、アナウンサーが退社後に他局に出演する際は、これまで世話になった局への義理立ての意味もあり、一定期間の出演を控えるのがテレビ界の通例とされてきた。それだけに、今回の羽鳥アナの“連投”は異例中の異例。早河社長は「制作スタッフもご本人も難しい判断をせざるを得なかった。準備期間が短いので走りながら番組の個性を構築していく」と説明。「日本テレビの氏家(斉一郎)会長をはじめ、関係者の寛大なご判断があった。大変感謝しています」と謝辞を表した。

 3月最終週で終了する「スーパーモーニング」は、93年4月に、ワイドショーの草分け的存在だった「モーニングショー」を継承する形でスタートした。政局の激変期には高視聴率を獲得してきたが、「いま1つ視聴者ニーズに応え切れていない部分があった」(早河社長)と改編を決断したという。

 テレビ朝日は「相棒」(水曜午後9時)をはじめとする刑事ドラマが軒並み好調なほか、「アメトーーク」などのバラエティー番組も堅調で、視聴率は1位のフジテレビ、2位の日本テレビに肉薄している。その中で弱点とされてきたのが朝の時間帯だ。テレ朝は視聴率1位の座が悲願だけに、羽鳥アナにかける期待は大きい。