日本テレビを退社した羽鳥慎一アナウンサー(40)が司会を務め、4日にスタートしたテレビ朝日系「モーニングバード!」(月~金曜午前8時)の初回視聴率が、7・5%を記録したことが5日、ビデオリサーチの調べで分かった。同時間帯で1日放送の前番組「スーパーモーニング最終回」は4・3%。NHK、民放の8時台生活情報番組の中で最下位だったが、3・2ポイントの上昇で一気に民放のトップに立った。

 羽鳥アナ効果はてきめんだった。同時間帯の前4週平均視聴率でも「スーパーモーニング」は6・4%で、フジテレビ系「とくダネ!」の8・7%、日本テレビ系「スッキリ!!」の7・7%に及ばなかった。だが、「モーニングバード!」が1回目にして、その形勢をひっくり返した。1日放送分で2ケタの13・6%を記録し、断トツだったNHK「あさイチ」は8・0%にダウン。羽鳥アナ司会の新番組は、その牙城にも肉薄した形だ。

 一般的に情報、報道系の番組は、新司会者やキャスターが起用されてから、数字が伸びるまでに時間がかかるといわれる。番組のカラー、スタイルが確立し、視聴者になじむ時間が必要だからだ。特に朝の番組は、長年の視聴習慣も影響するため「1%を上げるのも至難」とされる。その中での3・2ポイント上昇は、驚異的な伸びといえそうだ。

 羽鳥アナは2日に行われた番組会見で「うまくいけば僕のおかげ、失敗したら僕のせい」と話したが、この数字は「羽鳥アナのおかげ」で好発進したといえそうだ。「テレビ朝日にはあまりいなかった」(同局関係者)の明るいキャラクターで、番組に柔らかさをもたらした印象もある。大半の同局関係者は「これからが勝負」と話すが、羽鳥アナは今後も朝の視聴率戦線で存在感を示しそうだ。