女優松雪泰子(38)ら06年に大ヒットした映画「フラガール」の主要キャストが、東日本大震災で被災した福島県いわき市に義援金1000万円を送ったことが9日、分かった。同映画は、福島県の寂れた炭鉱町をフラダンスで活性化させた女性の実話を基に描いた作品。同市は撮影の中心地だった。

 義援金を送ったのは、主演の松雪と蒼井優(25)富司純子(65)山崎静代(32)の4人。同市は地震、津波被害に加え、原発絡みの風評被害でも苦しんでいる。松雪らは「みんなで何かできないか」と検討した結果、まず、映画「フラガール」出演者有志として連名で義援金を送ることを決めたという。

 松雪

 映画の撮影、作品を通して、いわき市の皆さまの生きる力、希望を失わずに前に進む力強さに触れ、あらゆる物事に立ち向かう勇気を教えてもらいました。今も感謝の気持ちでいっぱいです。1日も早い復興、安心で安全な生活が戻りますよう、心からお祈り申し上げます。

 文字通りのフラガールからの恩返しに、渡辺敬夫いわき市長は「映画『フラガール』は、いわき市を広く知ってもらうきっかけになりました。このようなお心遣いをいただいて、心より感謝いたします。映画同様、何事もあきらめず、前へ進んで参ります」と感激している。

 スタッフも含めた「フラガール」チームの支援プロジェクト第2弾も決定している。山崎が東京・新橋駅前のSL広場で12日から2日間行われる同市物産品PRイベントに参加する(参加は12日のみ)。同市産トマトなど十数種の野菜などの直売イベントで安全性をPRする。スタッフは「これで支援は終わりということはない」と、復興に向けて同市を長期的に支援していく決意を示した。【近藤由美子】