1970年代に一世を風靡(ふうび)した人気アイドルグループ「キャンディーズ」のメンバーで、女優として活躍した田中好子(たなか・よしこ)さん(本名・小達=おだて=好子)が21日午後7時4分、乳がんのため、東京都港区の病院で亡くなった。55歳だった。

 ◆田中好子(たなか・よしこ)本名・小達好子。1956年(昭31)4月8日、東京都生まれ。72年キャンディーズを結成。73年「あなたに夢中」でレコードデビュー。コーラスパートはメゾソプラノ。愛らしい笑顔で、「スーちゃん」と親しまれた。キャンディーズは「年下の男の子」「ハートのエースが出てこない」などのヒット曲を連発したが、「普通の女の子に戻りたい」として78年4月4日、後楽園球場で開いたさよならコンサートで解散。その後は女優として活動し、89年の「黒い雨」(今村昌平監督)では、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など多くの映画賞を受賞した。日本テレビ系のドラマ「家なき子」や、NHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」では、主人公の母親役を好演した。

 91年、女優故夏目雅子さんの兄小達一雄氏と結婚。女優業の傍ら、厚生省の公衆衛生審議会委員(99~01年)や国立国際医療センター顧問(05年12月~08年3月)を歴任、09年12月からは化学物質評価研究機構評議員を務めていた。墨彩画が趣味で俳優片岡鶴太郎に師事していた。