東山紀之(45)が舞台「英国王のスピーチ」(8月下旬開幕、東京・世田谷パブリックシアター)に主演することが24日、発表された。

 ジョージ6世の史実をベースにした戯曲が原作。一昨年から世界中で公開された同名映画は各国映画賞で通算63冠を獲得。昨年のアカデミー賞では、作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞の最多4冠に輝いた。日本では昨年2月に公開。公開51日目で観客動員数が100万人を突破し、話題になった。また、世界に先駆けて英国内で舞台版が上演中。本作は英国に続く舞台化となる。

 東山は厳しいしつけから吃音(きつおん)症に悩み、内気な性格になったが、周囲の支えと努力で吃音症に立ち向かい、偉大な王となる大英帝国の王子、バーティ(後のジョージ6世)を演じる。映画版では英俳優コリン・ファースが演じ、アカデミー主演男優賞を受賞した。

 制作側は東山の起用について「主人公の生真面目、強い責任感、ノーブルな雰囲気がはまり役だと思います」と起用理由を説明している。

 特に舞台では、東山はハードルが高い役に積極的に取り組んでいる。07年「さらば、わが愛

 覇王別姫」では女形に挑戦。一昨年上演した2本立ての「ミシマダブル」では、2作品ともに出演した。

 本作について東山は「コンプレックスや逆境を乗り越え、深く国民に愛されたジョージ6世は、どのようにイギリスのリーダーに成長したのか。この舞台でそのリーダー像を学び、感じ、演じていくことで、俳優として今まで以上に、『高み』を求めていければと思います」と話している。

 ◆映画「英国王のスピーチ」(トム・フーバー監督)

 英国の現エリザベス女王の父で「英国史上最も内気な国王」と呼ばれるジョージ6世(コリン・ファース)の物語。20世紀初頭の英国は放送機器の発達などで、スピーチは王室の重要な仕事となっていた。大英帝国博覧会の閉幕式で、バーティ(ファース)は父王、ジョージ5世の代理でスピーチをする。しかし、吃音症のせいで散々な結果に終わり、周囲の人々と英国民を落胆させてしまう。妻のエリザベスが吃音症の治療を依頼したローグは、型破りな方法で治療にあたる。