フジテレビの人気アナウンサー、中野美奈子アナ(32)が、同局を退職することが27日、分かった。関係者によると、医師で都内の病院に勤務する夫が、海外で医療の仕事をする予定があり、妻として海外で夫を支えるつもりだという。現在レギュラー出演中の「とくダネ!」(月~金曜午前8時)は、6月末で降板の予定。正式な退職時期は未定だが、夏ごろになりそうだ。

 ナカミーの愛称で親しまれ、「好きな女性アナウンサーランキング」でも常に上位にいる中野アナが、テレビ画面から消えることになった。

 関係者によると、アナウンサーを辞める決断をしたのは、夫との生活を最優先したためだという。都内の病院に勤務する整形外科医とは、08年秋に知人を介して知り合い、翌09年秋に結婚する意思を固め、10年3月に都内で挙式した。結婚後も、フジテレビの看板アナとして活躍を続けていたが、夫が海外に仕事の場を移す意向を固め、妻として付き添い、夫を支え続ける道を選んだ。詳しい勤務先は不明だが、関係者によると、海外勤務の準備は最近になって整ったという。

 現在、朝の人気情報番組「とくダネ!」にレギュラー出演し、番組を支える存在として活躍している。関係者によると、当初は3月末に同番組を降板し、夫に付き添う準備を進めていたという。退職の意思を聞いた同局は、強く慰留を求め、後任の問題なども並行して進めながら、6月末の降板という形で落ち着いたとみられる。正式な退社時期については、有給休暇も残っていることから、夏ごろになる見込みだ。

 人気局アナのフリー転身が相次ぐ中、仕事を辞めるのは異例といえる。プロスポーツ選手と結婚し、直後に退職するケースはあったが、結婚後も仕事を続け、夫の仕事環境の変化に寄り添う形での退職は珍しい。

 中野アナは結婚が明らかになった時、夫との生活について「とても優しく、一緒にいると素の自分らしくいられます。彼の誠実さと家族を大切にする温かい気持ちに触れ、この人と生涯を添い遂げたいと思いました。笑顔の絶えない明るい穏やかな家庭を築いていきたいと思います」とコメントしていた。今回の退職はその言葉どおり、何より夫婦としての時間を大切にして、そばで医師というハードな仕事に身を置く夫を、心身ともに支えるという道を選んだ結果のようだ。

 中野アナは、医師の父を持つ。医師の激務と苦労は幼いころからそばで見てきた。父を支え続ける母の存在の大きさも知っており、尊敬している。退職の決意には両親の影響も強かったと思われる。

 人気アナの退職は、フジテレビにとって大きな痛手となる。後任について同局は、局アナだけでなく、フリーアナも含めて検討することになりそうだ。

 ◆中野美奈子(なかの・みなこ)1979年(昭54)12月14日、香川県生まれ。慶大商学部在学中の99年にミス慶応に輝き、卒業後の02年、フジテレビ入社。「とくダネ!」「爆笑そっくりものまね紅白歌合戦」「キカナイト」などを担当。03年に番組企画で3人組ユニットT.N.Tを結成しシングル「約束の空」でCDデビュー。映画観賞やサイクリングが趣味。モットーは「大変な時ほど笑顔!」。アロマセラピーアドバイザーの資格を持つ。高校時代は写真部。高野豆腐が苦手。157センチ。血液型B。

 ◆好きな女性アナメモ

 オリコンが04年から毎年行う調査で、例年上位にランクインしていた中野アナは、独身最後となった09年の第6回に初めて1位となった。結婚したものの、翌年の第7回も2位となる人気ぶり。第1回は5位、第2回は4位、第3回は3位、第4回は2位、第5回は3位に入っている。昨年は、若い後輩アナウンサーの台頭もあって6位に後退したが、既婚者に限れば2位の西尾由佳理アナ(フリー)に次いで2位。1位はフジテレビ後輩の加藤綾子アナ、3位は生野陽子アナ(フジテレビ)、4位は大江麻理子アナ(テレビ東京)、5位は竹内由恵アナ(テレビ朝日)だった。