森田健作千葉県知事の秘書を経て、現在中国で活動する俳優矢野浩二(42)が、日中国交正常化40周年の記念事業として今年9月、北京で開かれる「日中交流博覧会」の実行委員に選ばれた。現地での活躍が認められ、打診を受けた。中国進出を目指す日本企業に中国人との付き合い方をアドバイスするほか、日本文化を紹介した「Japan

 Brand

 EXPO」で中国の若者に日本をPRする重要な役どころを担う。

 テレビ番組収録のためこのほど来日した矢野は「11年間中国で生活し肌身で感じたことを、自分なりに伝えたい。コミュニケーションの取り方も伝えられたら」と話した。博覧会の会場は、北京五輪メーンスタジアム「鳥の巣」に近い中国ナショナルコンベンションセンター。「中国で最も有名な日本人」といわれるだけあって、パンフレットにはただ1人、個人として名を連ねた。今後は実行委員会で、入念な準備を重ねる。

 中国で俳優活動を続ける中、「管道」(パイプ役)になることが目標だっただけに、今回の起用を「心からありがたい」と言う。「日中で交流を進めることは、経済活性化にも役立つ。自分には、日本のほかの芸能人にはできないことがあると思う。打ち上げ花火ではなく積極的にかかわりたい」と語った。石原慎太郎東京都知事の尖閣諸島購入表明を受け、両国間には波紋が広がるが、矢野は「仕事への支障はないが、形容しがたい視線は感じる。両国間にはあまりにも絆が築かれていない。時間がかかるだろうが、民間の立場で少しでも関係構築に貢献したい」と意欲を示した。【中山知子】

 ◆矢野浩二(やの・こうじ)1970年(昭45)1月21日、東大阪市生まれ。01年から本格的に中国で俳優活動を開始。日本人将校役などを演じ、05年、ドラマ「記憶の証明」で中国放送界最高の栄誉といわれる「飛天賞」受賞。08年から、人気バラエティー「天天向上」の司会者としてレギュラー出演。11年、中国人民日報国際版「環球時報」が選ぶ「2010Awards

 of

 the

 year」で、最優秀外国人俳優賞を日本人で初めて受賞。家族は妻と1女。北京在住。