俳優高嶋政伸(45)と妻でモデルの美元(みをん=32)が1日、東京家庭裁判所で行われた離婚裁判にそろって出廷した。原告の高嶋は、美元の度重なるストーカー行為や高額の生活費の要求など特殊性を暴露。愛情は一切なく、「芸能生活をなげうってでも離婚したい」と訴えた。一方、被告の美元は「今日も会えてうれしい」と高嶋への思いを口にし、高嶋が睡眠薬を常用しており、記憶違いや誤解があると指摘。その上で離婚の意思がないことを強調した。次回は7月27日に弁論が行われる。

 2人が視線を合わせたのは入廷の際、一瞬だけだった。3メートルの距離に対峙(たいじ)したが、高嶋は視線を落とし、美元を「被告」と呼んだ。一方、美元は「高嶋裕子です」と名乗った。左手薬指の指輪も外さず、高嶋を「夫」と呼んだ。弁護人から高嶋と“再会”は楽しいかと聞かれると、「久しぶりに会うのを楽しみにしていました。実際、顔を見られてうれしかった一方で、とても心配です」と笑顔をみせた。

 主張は真っ向から食い違った。高嶋は結婚当初からの美元の特殊性に触れ、「怒ったら手が付けられない」「被告の怒りのスイッチが入らないようにビクビクしていた」などと説明。また、生活費を月30万円渡したが足りないと言われ、09年7月に弁護士を交え話し合い300万円渡し、翌10年5月から50万円に増額も「基本は月100万に小遣い9万。109万円が必要な女」など、過剰な要求があったと明かした。

 同17日には口論した末、左目を殴られて見えなくなり、美元を外に押し出そうとしたら抵抗されたという。その際に録音された音声に入っていた「死んじまえ」などの発言は事実と認めたが、「殺されると思った」と主張。別居後もホテルに美元が押しかけ、ストレスを感じたとし、「完全なるストーカー行為。恐怖の対象でしかない。一緒にいると必ず体調を崩すのでいられない。愛情は一切ない」。弁護人から「やり直すつもりは」と問われると、質問が終わる前に「全くありません」と答え、「芸能生活をなげうってでも別れたかったので裁判に持ち込んだ」と強く訴えた。

 対して美元は口論の際、アッカンベーをした高嶋の左ほおを平手打ちした後、殴られ全治1週間と診断されたと主張し左目を狙ったことは否定した。「薬や酒を飲むと目つきが変わる。感情的になったり記憶がなくなる。薬を飲まなければ暴力は振るわない人」と、高嶋が結婚前から常飲する睡眠薬で一変することを強調。「事実と異なることがたくさんある。尊敬する一方、どれだけ孤独で不安だったかを感じたので誤解を解きたい」と高嶋を哀れむように言った。

 小林愛子裁判官から関係修復の可能性を聞かれ、「できると思う。離婚する理由が見つからない。これまで夫が示してくれた愛情ですね。休みなく働いてきたので、期間を置けば頭のいい人なので思い直してくれる。戻ってくれると願ってます」と語った。