「2012神宮外苑花火大会」(日刊スポーツ新聞社主催)が10日、東京・神宮球場や国立競技場などで開催された。国立のゲストとして、近藤真彦(48)滝沢秀明(30)Sexy

 Zoneの3組が出演。夜空を彩る約1万発の花火とともに、五輪の聖地で熱いステージを繰り広げた。33回目を迎える神宮花火の来場者は、5会場で11万924人。周辺を合わせると約20万人が集まった。思い思いに、都会の夏の風物詩を楽しんだ。

 夕暮れが迫る国立のメーンステージに、マッチがゆっくりと花道を歩いて登場した。以前は「ファン以外のお客さんも大勢いるから、ある意味アウェー」と話していたが、マッチが放つ迫力満点のオーラに、会場から大歓声が上がった。国立のトリを務めるのは3年連続。アウェーを完全にホームに変えていた。

 今年は同じジャニーズ事務所の若手リーダー格、滝沢と最年少グループ、Sexy

 Zoneとともに、ステージに立った。滝沢については「舞台もやってるし、その場その場で対応できる」と安心感を持って見ていたが、昨年デビューしたばかりのSexy-については別。リハーサルでは初共演の末っ子グループに、「燃えてないね」とダメ出しした。

 「お手本通りにしか動けない気がした。お利口さん過ぎるね。プロとしてやる以上、伝わるものが伝わらないと熱くないなって。あの子たちの色もあるけど、マイクが壊れるくらい燃えろってね。『マッチさんと一緒のライブだと、男らしい』って、あの子たちのファンに言わせたかった」

 30年以上もジャニーズ事務所の長男坊として走り続けてきた自負がある。だからこその、厳しくも温かいアドバイスだった。

 マッチ自身も後輩から刺激を受けている。2年前は「歌を聴かせるシンプルなステージにしたいから」と不要としたバックダンサーを務めるジャニーズJrを、今回は100人以上もステージに上げた。「3年目だし、どのファンも盛り上げるにぎやかなコンサートもいいかなと思ってね」。

 花火打ち上げ後のアンコールにも初めて登場した。昨年まで「ゆっくり飲みながら花火を見たい」と断っていたが、スタンスを変えたのは、滝沢から「ぜひ一緒にやりましょうよ」と熱心に誘われたからだった。

 「このまま来年も続けていきたいよね」。東京五輪が行われた1964年生まれで、縁がある五輪の聖地での花火ライブ。後輩とともに完全燃焼したステージ直後に、思い入れをさらに強くした。【近藤由美子】