ペニーオークションをめぐるタレントのブログ騒動について、消費者問題に詳しい紀藤正樹弁護士(52)が17日、厳しい見方を示した。タレントたちが、落札できない仕組みにもかかわらず、会員から手数料を詐取する違法サイトを、「商品を落札しました」などと自分のブログに記載して「広告塔」になった。被害者はタレントを訴えることができるのだろうか。紀藤氏は「損害賠償請求をすれば勝てます」という。ただし被害額が少額のため、訴訟を起こすメリットは小さいという。「詐欺と知っていて掲載したのなら詐欺ほう助になる。知らないでやったのなら犯罪とまでは言えません」。

 これまでに松金ようこに依頼された、ほしのあき、熊田曜子のほか、小森純、東原亜希、永井大、ピース綾部祐二らが「うそ落札」を認めている。松金は警察に事情を説明しているが、謝礼30万円を受け取ったほしのにも警察は事情を聴く必要性があるという。「(うその記載をして)お金をもらっている時点で道義的に問題がある」。さらに「ほしのさんは所属事務所を通さず、個人的にやったと話している。この点で分別がない」としており、芸能活動を続けていくつもりなら「厳しい立場にあると言えます」という。

 メディアや、ほかのタレントたちからも批判の声が上がり始めている。紀藤氏は「このまま普通に芸能活動したら、どうせ芸能人はみんなやってるのではと思われてしまう。依頼されて断った芸能人もいると聞いている。区別しなければいけない」。またブログ自体が抱える問題点もあるという。「法律を作り、広告の線引きをしっかりすべきだ。今のままではブログがある限り同じことが起きる」と警鐘を鳴らした。