森山未来(28)が俳優業を休止して海外留学することが22日、分かった。10月から来年9月末までの1年間、ベルギーとイスラエルに留学する。この日、文化庁から芸術家、文化人、研究者など文化に携わる人材を海外に派遣し、日本文化の紹介活動を展開する「文化交流使」に任命された。もともと海外志向が強く、国や言葉を超えた活動を以前から希望していた。妻子を日本に残し、単身で“武者修行”する。

 昨年だけで映画4本に出演するなど最も旬な俳優の1人。出演依頼が増加する中、留学機会は今年しかないという判断に至った。森山は「日本の文化が軽やかに海の向こう側へ飛び越えていけるよう、この島国が海の向こう側からさまざまな文化を受けとめ、取捨できる器量が膨らんでいけるための1つの懸け橋になれるよう精進していきたい」と話している。ベルギーでは振付師、イスラエルでは舞台「100万回生きたねこ」の演出家と演劇の共同制作などを行い、1人芝居などの活動もする。語学力向上のため、現地では通訳なしで生活する。

 留学中、CMなど短期間の仕事は行う可能性はあるという。出演映画「人類資金」公開後の10月下旬に渡航することになりそう。

 ◆文化交流使

 文化庁が03年から開始した事業。文化人を海外派遣し、日本の文化的イメージの向上と、諸外国との文化人や芸術家とのネットワーク形成強化が狙い。12年まで、のべ94人と2グループ(5人)、20団体が選ばれ、世界65カ国で活動した。今回は書道家武田双雲氏(37)ら8人が選出された。同氏はベトナム、インドネシアに派遣される。