女優吉高由里子(24)が、新たな朝ドラヒロインに決定した。25日、来年度前期のNHK連続テレビ小説のタイトル、ヒロイン、脚本家の発表会見が東京・渋谷区の同局で行われ、吉高らが出席した。作品は、「赤毛のアン」の翻訳で知られる村岡花子さんの生涯を描く「花子とアン」(14年3月31日スタート、月~土曜午前8時)で、脚本は中園ミホさん(53)が担当。吉高は「吉高したたか、と言われるように役にくらいついていきたい」などと抱負を語った。

 吉高が登壇すると、取材陣からどよめきが起きた。「そう来たか~」の声も漏れる中、赤いワンピースの吉高が切り出した。「ものすごく緊張しています。自分でいいのか。恐れ多い」。だが、24歳にして映画、ドラマで主演、ヒロインを演じてきた「格」がある。会見は、自然と吉高ペースになった。

 「吉高したたかと言われるくらい役にくらいつき、キャスティングミスと言われないよう一生懸命に演じたい」

 「最も不安なこと」を問われると「朝の顔に似合うのだろうか」と笑わせつつ、「始まれば世間が作るイメージになるので、不安でもあり、楽しみでも。おばあちゃんが大好きで見ていた朝ドラ。親孝行できてうれしい」と話した。

 ドラマは、「赤毛のアン」の翻訳で知られる村岡花子さんの生涯を描く。花子の孫恵理さんの著書「アンのゆりかご

 村岡花子の生涯」を原案に、「ハケンの品格」などを手掛けた中園ミホさんが脚色する。1893年(明26)に甲府市で生まれ、東京の女学校で学んだ花子が、関東大震災や太平洋戦争を経て、戦後に「赤毛のアン」の翻訳を完成させていく姿を、恋や友情を交えて描くが、吉高は役柄と自身との比較でも笑わせた。

 「彼女はハングリー。私は高いハードルがあるとダントツでネガティブに。何か始まるときは生きていくのがつらくなる。始まれば生きがいになるけど、今は前者。汗びしょびしょ。勘弁して」

 さらに、役に共感する点を問われると「難しいのが来た!

 優しい人ばかりと聞いていたのに~」と小悪魔的な言い回しでジャブ。その上で「目の前のことに没頭する点には共感する」と答えたが、反応がイマイチだと気付くや「もうちょっと、うまく言えるようにこの場を借りて勉強したい。NHKさんよろしくお願いします」などと続けた。

 なお、「赤毛のアン」は読んだことがないとし、「先ほど渡され、けっこう分厚かった。読んだらまた会見しましょうか。すいません、こんな女で」と吉高節を披露し続けた。

 ◆吉高由里子(よしたか・ゆりこ)1988年(昭63)7月22日、東京都生まれ。06年映画「紀子の食卓」でデビュー。08年映画「蛇にピアス」で日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞新人賞受賞。映画は、11年「婚前特急」などにも出演。ドラマは、日本テレビ系「美丘-君がいた日々-」、フジテレビ系「ガリレオ」などに出演。158センチ。血液型O。