NHK連続テレビ小説「あまちゃん」で小泉今日子(47)が歌っている「潮騒のメモリー」がシングルCD化されることが19日、分かった。31日に発売する。ヒロインの母親で、かつてアイドルを目指した過去を持つ春子が、ドラマの中で歌った曲。挿入歌としてたびたび登場してきた。小泉にとって、14年ぶりのシングルとして発売される。ドラマ人気の追い風も受け、大ヒットする可能性は十分にある。

 アイドル映画の主題歌という設定の「潮騒のメモリー」は、小泉演じる春子が5月18日放送回で初披露した曲。その後は娘でヒロインのアキ(能年玲奈)と、その親友ユイ(橋本愛)のコンビが歌い継いできた。「あまちゃん」の脚本を担当する宮藤官九郎(43)が手掛けた切ない歌詞と、80年代のアイドルソングを連想させるメロディーが印象的だ。実際にトップアイドルだった小泉が劇中で歌うという話題性もあって、ドラマ挿入歌としては異例の注目度を誇っていた。関係者によると、視聴者からCD発売を熱望する声がNHKに殺到していたという。発売元となるビクターは「ここまで反響がある以上、小泉今日子さんに本領を発揮していただくしかなかった」とCD化に至った理由を説明した。

 ジャストタイミングのニュースだ。同曲はドラマの中では、女優鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)が85年に主演した映画で自分が歌った主題歌という設定だった。ところが19日の放送で、実は若き日の春子が、音痴という鈴鹿の“影武者”としてレコーディングしていた事実が明らかになったばかり。衝撃の展開に合わせるかのようなCD化発表となった。ビクターは「春子が夢見た歌手デビューの夢を四半世紀を越えて実現させたというわけです」。

 封印していたアイドルボイスを同曲で解禁した小泉は「楽曲の世界観を大切に、もう全力で17歳のマーメイドな気分で歌いました」とコメントしている。小泉にとって、99年「for

 my

 life」以来14年ぶりのシングルとなる。

 ドラマの大ヒットとCD化決定で、夢はさらに膨らむ。NHKが、小泉に紅白歌合戦出場をオファーする可能性は十分にある。88年以来、25年間も紅白から遠ざかっており、同局としては何としてもステージに立ってほしいところだ。