女優で歌手の小泉今日子(47)がNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で歌う挿入歌「潮騒のメモリー」(7月31日発売)が7万8000枚を売り上げ、8月12日付オリコン週間チャートで2位に初登場することが5日、分かった。役名「天野春子」としての曲ながら、小泉のシングルトップ3入りは1993年(平5)2月の「優しい雨」以来。

 20年半ぶりに「キョンキョン」がオリコン上位に顔を出した。ベスト10入りも18年9カ月ぶりとなる。「潮騒のメモリー」は初週出荷枚数17万枚で、売り上げ7万8000枚。ロングセールスの気配を漂わせての好発進だ。

 同曲は劇中で80年代にアイドルを目指していたヒロインの母親・天野春子が歌った。「もう全力で17歳のマーメイドな気分で歌いました」と、アイドルボイスを復活させた。ドラマ人気があったとはいえ、14年新曲発売がなかった小泉は、関係者の大ヒットの報告に「じぇじぇじぇ!」と驚いたという。

 劇中の春子は同曲をアイドル鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の影武者として録音しただけで、デビューできなかった。その無念を意味するように「天野春子さんの積年の願いがかなって、感無量です」と喜んだ。

 最近は女優としての印象が強いが「長年たっても毎年ファンの方々が待って下さってるので、感謝の意味で細々ライブもしてたんですよ」と音楽活動は続けていた。今後も、大々的なコンサートツアーを開く予定はないが、国民的人気ドラマの挿入歌だけに、周囲の期待は高まってくる。

 中でも大みそかのNHK紅白歌合戦が出場をオファーするのは確実で、さらに日本レコード大賞の関係者は「大ヒットなら当然、候補曲になる」と話す。同じようにNHKの劇中歌では97年に河合美智子がオーロラ輝子の役名で「夫婦みち」を歌い優秀作品賞を受賞しており、その資格は十分にある。

 それでも、マイペースな活動も小泉の世界。ドラマの大ヒットがあっても、ほとんどメディアに登場せず、今は舞台出演に没頭。まるで「じぇじぇじぇ」と驚く周囲の様子を楽しんでいるかのようである。【瀬津真也】