10月スタートのフジテレビ系月9ドラマに松田翔太(27)が初主演、武井咲(19)が初ヒロインで出演することが3日、分かった。タイトルは「海の上の診療所」で瀬戸内海の島々が舞台。松田は病院がない島々を回る医師役で、そのパートナーの看護師を武井が演じる。松田が島々でマドンナに出会い、恋をしては振られるという「現代版寅さん」的なストーリー仕立てとなっている。

 松田が新境地を開く。腕は確かだが、美女にはめっぽう弱く、時には本業をなげうってまでマドンナにのめり込む独特な医師、瀬崎航太を演じる。舞台は瀬戸内海。大小合わせて700ほどある島々の中で、病院船に乗り、病院がない島々を回る中で、数々のドラマが起きていく。

 キャラもさることながら、物語進行も特徴的だ。1話ごとに1島を巡り、1人のマドンナが出てくる基本パターンだという。設定こそ違うが、1作品ごとにマドンナにはまる映画「男はつらいよ」の寅さんのようだ。マドンナの抱える医療問題を解決するため、奔走するも、そのかいなく、マドンナに振られてしまう。これまた、寅さんパターン。イケメンの松田だが、「三枚目の医者という役どころなので本当に楽しみです」と意気込んでいる。

 ドラマ撮影もほぼ瀬戸内の離島で行われる。2003年(平15)に同局系で第1シリーズが放送された「Drコトー診療所」もほうふつさせる。今作の劇中でも瀬崎は「Drコトー」の大ファンという設定で、自身を「Drコータです」と名乗る場面もあるという。人気映画、ドラマの要素も取り入れて化学反応させる狙いとみられる。

 武井は、瀬崎とは真逆の性格で、筋が通っていないことは大嫌いな看護師を演じる。女暴走族だったといううわさがあるキャラクター設定でもあるが、「今までやったことのない役でワクワクしてます。松田さんとの展開も楽しみです」と話している。

 藤野良太プロデューサーは、「これまでのクールなイメージを一新し、視聴者の皆様から愛されるキャラクターになると信じています」と松田に期待を込めつつ、武井の起用理由については「芯のしっかりとした武井さんと役柄が重なった」と話している。

 ◆「海の上の診療所」

 救急患者が発生しても、たよるべき医師がいない瀬戸内の離島を、病院船で回る医師や看護師たちの物語。病院船にあるきっかけで乗り込んだ松田演じる瀬崎は、腕は一流だが、女には弱いという弱点がある。そこを締めるのが、武井演じるパートナーの戸神真子。初めて乗船してきた瀬崎を不審者と勘違いして、バスタオル1枚の戸神が跳び蹴りをあびせる場面からストーリーが展開していく。テレビ朝日系「刑事110キロ」などを手がけた徳永友一氏のオリジナル脚本。