堺雅人(39)が銀行マンを演じるTBS系「半沢直樹」(日曜午後9時)の8日放送の第8話の平均視聴率が32・9%(関東地区、ビデオリサーチ調べ。関西地区は32・7%)を記録した。初回から右肩上がりでダウンなしの新記録をつくった。物語はクライマックスに向かっており、次回9話は10分拡大、最終回10話は25分拡大して放送する。最終回で視聴率40・0%を記録した11年「家政婦のミタ」超えも視野に入れている。

 「半沢直樹」の勢いが、止まらない。8話の平均視聴率は、前回30・0%から2・9ポイントも上昇。2話連続で、30%台を記録した。初回19・4%でスタートした平均視聴率は右肩上がり。5話と6話が29・0%で横ばいだったが、1度も数字は下がっていない。今年4月期に放送されたフジテレビ系「ラスト・シンデレラ」が、1話から7話まで視聴率を落とさず、上昇の連続記録をつくったが「半沢-」が更新した。

 天候も後押しした。関東地区では、8話が放送された8日は、夕方から夜にかけて雨が降り始めたこともあり、在宅率も上がったとみられる。野球の18UW杯の決勝戦など強力な裏番組もあったが、「半沢直樹」が視聴率を上昇させる圧倒的な強さを見せつけた。

 また、瞬間最高視聴率もこれまでの中で最高の37・5%を記録した。番組終了直前の午後9時56分で、半沢の同期でタミヤ電機に出向中の経理部長の近藤(滝藤賢一)が、タミヤ電機がかかわる迂回(うかい)融資と東京中央銀行の大和田常務(香川照之)の関係に気付き、半沢に電話するという緊迫した場面だった。予告に入っても高い視聴率を維持しており、視聴者がドラマの行方に強い関心と興味を抱いていることが数字に表れた形だ。拡大放送される9話、最終話では、半沢が大和田常務と対決するクライマックスがじっくりと描かれる予定だ。

 同局の宣伝担当者はドラマ史に残る記録も意識し始めている。「ここまできたからには、と思っています」と「家政婦のミタ」超えへに期待を寄せている。