俳優石田太郎さんが21日午後1時ごろ、相模原市緑区にある城山スタジオの屋外プールで、フジテレビ系連続ドラマ「独身貴族」(10月10日スタート、木曜午後10時)の収録中に倒れ、同市内の病院に救急搬送されたが、死亡した。69歳だった。神奈川県警津久井署などによると、プールに入る収録はこの日正午ごろから行われていたという。1カット撮影した後、休憩となり、プールサイドに向かおうとした石田さんがスタッフらの目の前で、突然倒れたという。

 同局広報部によると、石田さんは第1話にゲスト出演する脚本家役だった。石田さんはこの日午前から、主演の草なぎ剛(39)らと収録に参加していた。津久井署などによると、プールの中で草なぎと絡む場面を演じていたという。

 同局関係者によると、石田さんが倒れた直後、異変に気が付いたスタッフがプールから引き上げたが、既に意識がなかったため、救急車を呼んだという。

 相模原市の北消防署によると、午後0時57分に番組スタッフから「男性俳優が倒れた。意識がない。呼吸はしている」と119番通報があったという。消防署員が駆けつけると、石田さんは既に心肺停止状態で、スタッフが心肺蘇生を行っていたという。AEDなどを施し、同市内の病院に搬送したが、約3時間半後に死亡が確認された。神奈川県警津久井署は詳しい死因を調べている。

 関係者によると、収録現場にいた草なぎは訃報を聞いて大きなショックを受けているという。この日と今日22日の収録は中止になった。※なぎは弓ヘンに前の旧字体その下に刀

 ◆石田太郎(いしだ・たろう)1944年(昭19)3月16日、京都府生まれ。上智大中退。劇団雲、劇団昴時代からドラマや映画に多数出演。「新・刑事コロンボ」の主人公などの声優としても活躍。87年「独眼竜政宗」89年「春日局」などNHK大河ドラマにも多数出演。金沢市の乗敬寺の住職も務めた。