俳優堺雅人(39)が3日、都内で行われたフジテレビ系ドラマ「リーガルハイ」(9日スタート、水曜午後10時)の制作会見で、TBS系ドラマ「半沢直樹」脱却を宣言した。「リーガルハイ」は、昨年4月から放送された話題作の続編。堺は不屈の銀行マンから一転、性格的には問題があるが、訴訟負けなしという異色弁護士を再び演じる。強烈な印象を残した「半沢直樹」。この日はユーモアあふれる言葉でイメージ払拭(ふっしょく)を誓った。

 制作会見を兼ねた第1話試写会。堺は「リーガルハイ」の主人公、古美門研介の扮装(ふんそう)で登壇した。「半沢直樹」最終回が、ドラマ史に残る視聴率42・2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ、関西は45・5%)を獲得したが、記録について沈黙してきた。堺はこの日、開口一番「銀行員時代に培った全てをこの作品で台無しにしたいと思います」と言った。ユーモアあふれるコメントに「脱半沢」にかける思いがにじんだ。場内は爆笑に包まれ、堺も笑顔を見せた。

 国民的な人気に乗っていきたい人たちもいる。放送するフジテレビが寄せる期待は大きい。今世紀最高のドラマ視聴率を記録したお化けドラマに“便乗”し、第1話には、流行語になった「やられたらやり返す。倍返しだ!」のパロディーとも言える「やられてなくてもやり返す」といったセリフを用意して視聴者を楽しませる。

 共演のKAT-TUN田口淳之介(27)も「堺さんの勢いに乗りたいなという気持ちでいっぱいです」。岡田将生(24)も「今、勢いのある堺さんに乗っかって、僕も『やられたらやり返す』って言ってみたいと思ってました」。共演者の言葉に苦笑していた堺は「(「リーガルハイ」を収録中の)隣のスタジオの監督からツキがどうのと言って触られたんです。だから今の僕はほとんどツキが残ってないんじゃないかな。残りカスで頑張ります」。

 第1話ではアイドルの歌と踊りに挑戦。笑いが随所にちりばめられ、「本当に前クールの番組(半沢直樹)を見ていただいた方には申し訳ない気持ちでいっぱい」と恐縮したように笑った。「創意工夫とか、全力を尽くすとか、そういう言葉からはなるべく遠いところで頑張りたい。省エネでいきます」。寄せられる期待を感じつつも、肩の力を抜いて新作に挑む。

 ◆「リーガルハイ」

 偏屈で毒舌、気分屋で超わがままだが訴訟勝率100%の古美門研介(堺雅人)と社会正義に燃えるが融通の利かない黛真知子(新垣結衣)の凸凹弁護士コンビの活躍をコメディータッチで描く。前シリーズ出演の里見浩太朗、生瀬勝久らに加え、新シリーズには岡田将生、小雪、松平健らが出演。昨年4月期の前シリーズは平均視聴率は12・5%、今年4月のスペシャルドラマは13・5%。作品評価が高く、第50回ギャラクシー賞をはじめ多くの賞を獲得した。