タレントみのもんた(69)が、次男が窃盗容疑などで逮捕されたことで出演を自粛していたTBS系報道番組「みのもんたの朝ズバッ!」(月~金曜午前5時30分)と「みのもんたのサタデーずばッと」(土曜午前5時45分)を降板することが25日、明らかになった。TBSが同日夜、発表した。事実上の解任で、君臨し続けたテレビの帝王が、追放される形になった。両番組は、11月第2週から「みのもんた」の冠を外してリニューアルされる。みのは、今日26日に都内で会見を行う。

 ついに、みのの降板が決まった。TBSはこの日、午後6時過ぎ、報道各社に送信したファクスで発表した。

 「みの氏とも話し合いを続けてきましたが、両番組は視聴者の視線で、さまざまな社会的事象や事件について、みの氏が直言するというコンセプトの報道番組であり、現在の状況や、みの氏の意向を含め、総合的に判断した結果、みの氏の出演を終了することを決定しました」

 みの自身も書面で「大変、世間を騒がせて申し訳ありません」とコメント。今日26日に記者会見を開くことを発表した。

 発表後、TBSの石原俊爾社長は「(局とみのさん)双方が(降板という)そういう意識になった。残念です」と話している。

 みのは、9月13日、次男が警視庁に窃盗未遂容疑で逮捕されたことを受け、神奈川県・鎌倉市の自宅前で会見を行い、当初容疑を否認していた次男の言い分を「信じる」と表明。親の責任については「20歳までだと思う」との見解を示した。その後、文化放送「みのもんたのウィークエンドをつかまえろ」でも、「私が世間を騒がせたつもりは全くない。私が何をやったわけでも何でもない」と話していた。同番組では「みのもんたの朝ズバッ!」などの出演自粛に触れ、当初は「降りるつもりはなく、続行してもいいと思った」と明かしていた。だが、プロデューサーから報道の公正中立を守れるかと問われ、「身内の肩を持ちたくなる。自信がない」と自粛を申し出たことも告白。これらの経緯からも、みのはいずれ番組に復帰、続投する気持ちでいたとみられる。

 一方で、視聴者やスポンサーの目は厳しかった。番組継続を決めている文化放送のスポンサー2社は、CM放送を自粛。「朝ズバッ!」は、事件前、7%前後あった視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)が、5%程度に低迷。局内外から「もう、イメージが悪すぎる。早く冠を外した方がいい」「続投なんてことはあり得ない」などの声が上がっていた。その上、みのは、自宅前の会見で謝罪した以降は、ラジオの番組内ではっきりと謝罪の言葉を発することもなく、スポンサーやさまざまな人気番組で貢献し、信頼を得ていたTBS上層部にも、いい印象を与えてはいなかった。みのをとりまく環境は、みのが思っている以上に厳しかった。

 TBSによると、リニューアルする番組は、現在のタイトルから「みのもんた」の冠を取り払い、「朝ズバッ!」「サタデーずばッと」とする程度で、アナウンサーら他の出演者は変わらないという。<みのもんた降板経緯>

 ◆9月11日

 次男で日本テレビ社員の御法川雄斗(みのりかわ・ゆうと)容疑者(31)が窃盗未遂容疑で逮捕。

 ◆同13日

 TBS系「みのもんたの朝ズバッ!」と「みのもんたのサタデーずばッと」の出演自粛を発表。神奈川・鎌倉市内の自宅前で会見を開き謝罪。「父親としてせがれのことも信じたいし、警察も信じたい」などとコメント。

 ◆同21日

 文化放送「みのもんたのウィークエンドをつかまえろ」に生出演し、「私が世間を騒がせたつもりはまったくない。私が何をやったわけでも何でもない」などと発言。

 ◆10月1日

 雄斗容疑者が窃盗容疑で警視庁捜査3課に再逮捕。

 ◆同2日

 雄斗容疑者が、自供を始めたとの報道。

 ◆同3日

 雄斗容疑者が処分保留で警視庁愛宕署から釈放される。

 ◆同5日

 「みのもんたのウィークエンドをつかまえろ」に生出演。「私は4キロやせました」などと話し、出演後に車の中で毛布をかぶるなどして逃げる「隠れみの作戦」を敢行。

 ◆同10日

 雄斗容疑者が、8日付で日本テレビを諭旨解雇処分されたことが明らかに。

 ◆同15日

 「みのもんたのウィークエンドをつかまえろ」スポンサーの明治、ロッテが番組でのCMを自粛したと文化放送が発表。

 ◆同19日

 「みのもんたのウィークエンドをつかまえろ」で、近く自身の考えと今後についての会見を開く意向を明かす。「1つの結果が出たら、逃げも隠れもしません。堂々と質問に答えます。みのもんた、どうあるべきかのお話もさせていただきたい」。

 ◆同25日

 TBSが「みのもんたの朝ズバッ!」と「みのもんたのサタデーずばッと」からの降板を発表。