俳優竹内寿(とし=20)が18日、都内で報道陣の取材に応じ、ソチ五輪ジャンプ男子団体で銅メダルを獲得した兄の竹内択(26)を祝福した。入院するなどの困難を乗り越えての快挙に「メダル獲得を信じていました」と笑顔。ソチ入り前の熱いやりとりを明かし、兄弟の絆や、信頼を語った。自身も元ジャンプ選手。兄とは違う芸能界での「金メダル獲得」も宣言した。

 寿は、晴れやかな笑顔を見せた。「信じてましたし、僕自身のパワーも送ってやろうと思っていました」。兄の銅メダル獲得の余韻を楽しむように、両手でガッツポーズした。「メダルが決まった瞬間、叫びました。やっぱり、オリンピックってかっこいいですね。自分も一緒に飛んでいるような気持ちでした」。

 6歳年上の択とは、4人兄弟の一番上と末っ子の関係。「寿」「択」と呼び合う中だ。「すごくまじめで、自分が言ったことや決めたことは絶対に曲げない。そういうところがあるから、オリンピックにも行けたんだと思う」と話す。

 物心ついた時からスキーが滑れたという寿も、択の影響でジャンプ選手になることを決意。中学では全国4位に輝き、ジュニアの強化選手にも選ばれるほどの実力者だった。だが07年、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリに輝いたのがきっかけで、芸能活動を開始。ジャンプと芸能界の選択を迫られた。決断を後押ししたのは、択の存在だった。「択は海外留学もしていたし、常に先を行っていた。自分が芸能界を選んだ時、オリンピックでメダルをとるという夢を択に託してもいいと思った」と、当時を振り返る。

 今年1月、択がアレルギー性肉芽腫性血管炎の可能性が高いと診断され入院した際も、兄の存在の大きさを再確認したという。「オリンピックに出られるかどうこうより、まず択の体が心配になりました。でも、電話口の本人の声がすごく元気で、すぐに筋トレを開始したっていう写真もメールで送られてきた。僕が落ち込んでちゃダメだと思った」。オリンピック直前には、直接会って握手した。「『竹内兄弟は、すごいんだぞ』って、言いました。僕が昔からずっと言ってきた言葉です」。笑顔でソチに送り出したという。

 今後は、兄とは違う世界でNO・1を目指す。「兄たちとメールして『俺らは俺らの道で頑張り合おう』って誓いました。僕は僕の芸能界の道で1番になって、今度は僕の方から択に喜びを与えたいです」。芸能界での「金メダル獲得」宣言。大好きな兄に恩返しする。【横山慧】