風水家で有名なDr.コパこと小林祥晃氏(66)が馬主として、最低人気馬でJRA・G1初優勝を飾った。23日、東京競馬場のフェブラリーS(ダート1600メートル)で、2分の1の抽選を突破して出走を果たした愛馬コパノリッキー(牡4、村山)は最低16番人気(単勝272・1倍)ながら有力馬を寄せ付けず快勝。風水パワーを発揮し、強運ぶりを見せつけたコパオーナーは大喜びだった。

 コパオーナーはゴール寸前、夢中でデスクをバンバンたたいて声をからし、大波乱を演出した愛馬に「とんでもないことが起きちゃったよ!」と跳び上がって喜んだ。この日の衣装はネクタイ、シャツ、下着、靴下など愛馬の枠番と同じオレンジで統一。

 「今日は青と黄色がラッキーカラー。勝負服は黄色がベースなので、青のアイテムも取り入れといた」とニッコリだ。

 食事でも験を担いだ。この日は肉がラッキーフードだったそうで、朝にステーキを胃袋に収めた。今年は穏やかに生きることが開運の道ともいう。朝からすれ違う関係者とあいさつするたびに頭を下げた。

 厩舎では愛馬に聞かせる音楽を指示していたという。「牧場にいた頃から能天気な馬でね。ラテン系をイメージしてリッキーと名付けたくらい。厩舎で見た時、とても寂しそうだったから村山調教師にラテン系の音楽を聞かせてやってくれと頼んだ。それ以来、馬がとても陽気になってくれた」と調子が上がった要因を明かした。

 そもそも今回のG1出走も抽選をくぐり抜けてのもの。無印からダート王に上り詰めた。コパオーナーにとってJRA・G1は9度目の挑戦での初悲願。ドバイで世界挑戦など夢は広がるが「いやいや、ずっと東北を応援してきたし、これからは統一G1へ行きたい。秋はJBC競走で盛岡の人たちを喜ばせたいね」とプランを語った。【鎌田優】

 ◆Dr.コパ(ドクター・コパ)本名・小林祥晃(こばやし・さちあき)。1947年(昭22)5月5日、東京都生まれ。日大理工学部建築学科卒業。1級建築士の資格を持ち、建築家として設計事務所を経営するかたわら、風水の家相・方位・インテリア学の第一人者として「風水地理の理論」を説く。石見一ノ宮物部神社(島根県大田市)の神職や愛知工業大学客員教授も務める。血液型B。

 ◆馬主としてのコパ

 02年にJRAの馬主免許を取得。JRA・G1はコパノフウジンで04年の朝日杯FSに初参戦(12着)。昨年はコパノリチャードが皐月賞に駒を進め、クラシック初参戦を果たした(13着)。昨年の有馬記念も12番人気のラブイズブーシェが4着にくる健闘。所有馬にコパノ、ラブミーなどの冠名を付けることが多い。勝負服は「西に黄色、東に赤」という風水の理念のもと、黄色地に赤の一本輪のものを使用。地方でも昨年引退した重賞5勝馬ラブミーチャンなどを所有。昨年はばんえい競馬の馬主免許も取得。