【台湾25日=松本久】シンガー・ソングライター福山雅治(45)が初の海外公演に向けた会見を台北市内で行った。公演は6月7日に市内で行う。11年に実施するプランがあったが、東日本大震災で白紙になっていた。4年越しの思いを伝えた会見では、台湾のドラマに本人役で出演し、主題歌も手掛けることも発表。歌手デビュー25年目の節目にアジアで新境地を開く。

 黒のライダースーツで会見に出席した福山は「福山です。また本当に来ました」のあいさつを「我是福山雅治

 我真的又来了(ワシフサンヤジー

 ワツントゥヨゥライロゥ)」と北京語で行うと拍手を浴びた。

 初の海外公演となるアジアツアーを台湾と香港で行う。実は震災で1度は中止が決まった台湾公演。念願がかない、表情は明るかった。「台湾の魅力は何といっても人柄。11年の震災支援には感動しました」。台湾からの資金援助、救援隊派遣などについて感謝の思いを何度も口にした。昨年7月、主演映画「真夏の方程式」のキャンペーンで初めて台湾入りした。熱烈な歓迎を受けて「今度は音楽で戻って来ます」と宣言したが、今回、約束を果たせることに「実現できてすごくうれしい」と話した。

 ステージの演出プランも明かした。「ファンの人たちと1つになるコミュニケーションを取ることがテーマです」。ステージ後方のファンにおそろいの白Tシャツを着てもらい、演出に協力してもらうという。

 現地テレビ民視電視台の4月スタートのドラマ「■似照亮我星球」に本人役でゲスト出演することも決まった。93年に出演ドラマ「ひとつ屋根の下」が放送されて以来、俳優としても多くの女性たちの心をつかんできた。台湾ドラマの出演はもちろん初めて。芸能界を題材にした作品で、この日の会見の模様もドラマの1シーンになる。ドラマの主題歌も手掛ける。新アルバム「HUMAN」(4月2日発売)の収録曲「暁」で台湾を含むアジア地域でも同時発売予定。ドラマのために中国語歌詞にも「チャレンジしたい。可能な限り」と話した。会見途中、政府から指名された台湾観光親善大使の授与式も行われた。音楽、ドラマ、観光。多方面で台湾、そしてアジアとの懸け橋になる。※■はニンベンに弥の弓をとる