【ハワイ19日(日本時間20日)=近藤由美子】嵐が15周年記念2日間公演を、オアフ島西部・コオリナの特設ステージでスタートさせた。デビューを発表した生誕地での公演は、2日間で計3万人を動員予定。街中が公演をPRする旗で彩られるなど、ハワイは嵐一色に染まった。

 高級リゾート地、コオリナ。会場奥に見えるコバルトブルーに輝く海の上から、黒いヘリコプターが近づく。ヘリに乗った5人が大型ビジョンに映し出されると歓声が上がった。会場裏に降り立った5人はレッドカーペットを歩いて登場。相葉雅紀(31)は「アロハです~」とハイテンション。大野智(33)が「ハワイ祭りでぃ!」とあおった。

 デビュー発表を行った15年前とは、比べものにならないスケールだった。会場の大きさは東京ドーム2個分以上。空き地を整備し、ヘリポートも作った。客席上空を動く10メートル×5・4メートルのムービングステージ2個は、日本から船で運んだ。花火や特効、鉄骨は日本からの持ち込み制限が厳しく、ロサンゼルスから取り寄せた。日本全国209館でライブビューイングが行われ、2日間で日本音楽史上最多の14万人を動員する記録も打ち立てる。

 公演はデビューから5年ずつ歌と映像で振り返る構成。嵐の15年間を、できる限り詰め込んだ。デビュー曲「A・RA・SHI」から新曲「誰も知らない」まで全30曲を歌い上げた。夕暮れ時にはハワイアンバンドを従え「マイガール」や「Everything」を特別バージョンで披露。会場には亀梨和也(28)や大倉忠義(29)も駆け付けた。

 公演前には、5人で15年前に訪れたパイナップル畑など思い出の地をいくつか回った。二宮和也(31)は「あんまり覚えてなくて。ピンとこなかった」と笑いながら振り返った。

 アンコールではそれぞれ心境も吐露した。櫻井翔(32)は「15年前は正直、違和感しか感じなかったグループ名に誇りや愛着を持ちました」。松本潤(31)は「メンバーのみなさん、ありがとう。この5人で良かった」。相葉は「世界中に嵐を巻き起こしたいですね」とデビュー発表会見と同じ言葉で決意をあらたにした。「今はモヤモヤした気持ちや葛藤は正直、ありません」。大野の目から涙がこぼれた。充実感にあふれた5人はさっそうとヘリに乗り込み、夜空に飛び立った。