SPEED上原多香子(31)の夫で、ET-KINGのメンバー、TENN(テン)さん(本名・森脇隆宏=享年35)の通夜が27日、大阪市阿倍野区のやすらぎ天空館で営まれた。喪主の上原は気丈にしていたが、死亡確認後、夫の変わり果てた姿を初めて目にし、泣き崩れた。TENNさんの左手薬指には、結婚指輪がはめられていた。葬儀・告別式は28日午前10時半から同所で。

 喪服姿の上原は、2日前から付き添っている今井絵理子(31)らと、会場入り。入り口前で足を止め、取材陣に5秒ほど頭を下げた。「大丈夫ですか?」と声をかけられると、うなずき、笑顔も作った。上原の左手薬指には結婚指輪。事務所関係者によると、TENNさんの遺体にも結婚指輪が着けられているという。

 上原は、いったん室内に入った後、入り口へ戻り、一般ファンの参列者記帳所へ。同所に飾るTENNさん愛用のハッピや帽子、スニーカーなどを自ら選び、再び会場内へ入った。その後、夫の遺体と対面した。

 25日朝、自宅マンション駐車場内の車で、倒れているTENNさんを上原が発見。TENNさんは病院で死亡が確認されたが、上原はこの日になって初めて変わり果てた姿を目にした。その際の様子を所属事務所関係者は「祭壇へ運ばれるとき、ひつぎに向かって3分ぐらい、泣きながら何かしゃべっていました」と説明した。

 上原は、TENNさんが亡くなる前日夜も、食事を作って帰宅を待つなど、夫婦仲も良好で「思い当たる節は何もない」と話している。関係者によると、上原は、遺書を見ても、死の理由はいまだ「分からない」と困惑しているという。

 参列したフットサル仲間のタレントたむらけんじ(41)は、死の理由について「(メンバーの)KLUTCH君も『ひとっつも思い当たれへん』言うてた」と話した。真相は謎のまま。TENNさんのマネジャー、松本豊さんは、メンバー宛ての遺書に「申し訳ないというおわびの言葉もあった」と明かした。

 通夜は、TENNさんの遺族の意向で無宗教で行われ、遺影と花が飾られた祭壇に、一般客も含めた約1000人の参列者が献花を重ねた。ひつぎには愛用のハッピ。場内にはET-KINGの楽曲が流された。通夜の最中には、上原が表に姿を見せ、記帳待ちのファンらに頭を下げた。上原はこの日、会場に泊まり、TENNさんとの最後の一夜を過ごした。【村上久美子】