松本幸四郎(72)市川染五郎(41)が17日、東京・池上本門寺にある初代松本白鸚の墓で、松本白鸚三十三回忌追善の東京・歌舞伎座11月公演「吉例顔見世興行」の成功を祈願した。染五郎は曽祖父7代目松本幸四郎、祖父初代白鸚、父幸四郎と高麗屋3代が演じた「勧進帳」弁慶に初挑戦する。「1歳で弁慶の姿をした写真があり、41年憧れ続けた。決まった時はたくさん泣いた」。幸四郎は「いろいろな役を経験し、役者っぷりも上がった。私も染五郎が弁慶をやる日を夢見てきた」。

 父幸四郎が富樫、叔父中村吉右衛門が義経、長男松本金太郎が太刀持ちで共演する。染五郎は「3代でつとめられて幸せ。金太郎には僕から頼んで出てもらった」。幸四郎が東大寺での弁慶1000回上演時に使った金剛杖を譲り受ける。「弁慶をやるため歌舞伎役者になった。初役とは感じさせない、高麗屋の弁慶を見せたい」と意気込んだ。